2019年4月18日
ポイント
・小児の口腔内の虫歯の本数と生活習慣の関連を調査。
・就寝時刻や夕食時刻が遅い子,夕食を決まった時刻に食べない子は虫歯のリスクが高い。
・子どもに早寝早起きを推奨する科学的根拠。
概要
北海道大学大学院歯学研究院の八若保孝教授と北海道医療大学リハビリテーション科学部の西出真也講師らの研究グループは,16歳以下の小児の口腔内の虫歯(治療済みも含む)の本数と就寝時刻や夕食時刻などの生活習慣との関係を調査しました。その結果,就寝時刻や夕食時刻が遅い子,夕食を決まった時刻に食べていない子は虫歯が多いことがわかりました。今回の調査では夕食時刻と就寝時刻の間にも関係があり,夕食を遅く食べる子は就寝時刻も遅いという結果でした。
夜型の生活習慣が虫歯発生に及ぼす影響は,永久歯列をもつ小児より乳歯列をもつ小児の方が大きいことがわかりました。これは,年少児ほど睡眠や食事などの生活習慣の乱れが,体のサーカディアンリズムに及ぼす影響が大きいことが原因と考えられます。
虫歯(う蝕症)はミュータンスレンサ球菌を中心とする細菌が糖質を摂取して産生する酸により起こる疾患ですが,永久歯における虫歯の初発は多くの場合が小児期です。夜型の生活習慣をもつ子は,夜遅くに食事や間食をします。夜間は唾液が減少し防御機構が弱まるため,細菌が増え,虫歯発生・進行のリスクが高まると考えられます。
なお,本研究成果は,2019年4月4日(木)公開のJournal of Dental Sciences誌に掲載されました。
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虫歯リスクと生活習慣の関係