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NASAの観測ロケットを用いた微小重力実験に成功~国際共同研究により宇宙ダストの生成を再現~(低温科学研究所 准教授 木村勇気)

2019年10月8日

ポイント

●138億年の宇宙史における物質の進化過程の解明のために国際研究チームを結成。
●酸素が豊富な天体が供給する宇宙ダストの生成過程を模擬し,必要なデータの取得に成功。
●欧州での炭素質物質の実験結果と合わせて宇宙の物質循環を解明する糸口が得られると期待。

概要

北海道大学低温科学研究所の木村勇気准教授らの国際研究チームは,アメリカ航空宇宙局(NASA)の観測ロケットBlack Brant IX 343号機を用いて,「ケイ酸塩宇宙ダストの核生成過程の解明」を目的とした微小重力実験を実施しました。この実験は,宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の小規模計画(プロジェクト名:DUST)として,NASAとの国際協力のもとに実施されました。

本計画は,138億年の宇宙史における物質の創成史を確立することを目的として2017年に構築した国際共同研究のもとで進めています。今回は,宇宙物質の主役の一つであるケイ酸塩(シリコン,マグネシウム,鉄を主成分とした鉱物)に注目しました。宇宙ダスト(星のかけら)と呼ばれる微粒子は,天体より放出されるガスから生成します。ケイ酸塩微粒子がガスから生成する過程の理解は,天体の放出ガスから微粒子を経て惑星に至るまでの固体物質の変遷を知るカギとなります。そこで本実験では,ロケットの弾道飛行による微小重力環境を利用して,高温のガスからケイ酸塩宇宙ダストを模擬した微粒子が生成・成長する過程を直接測定することで,生成過程の理解を目指しました。

もう一つの主役である炭素質微粒子に関して,本年6月にスウェーデン宇宙公社の観測ロケットを用いて微小重力実験を実施しました。今回の結果と合わせることで,宇宙における物質進化の理解が飛躍的に進むと期待されます。

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打ち上げ直前の観測ロケットBlack Brant IX 343号機
研究代表者の木村准教授(左)とアメリカ側代表のNuth博士(NASA)