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圧電材料を利用した新しい有機合成手法の開発~機械的な力を駆動力とする新しい環境調和型有機合成反応の開拓へ~(創成研究機構化学反応創成研究拠点 教授 伊藤 肇,特任助教 久保田浩司)

2019年12月20日
北海道大学

ポイント

●圧電材料から発生する電気を利用した新しい有機合成手法の開発に成功。
●機械的インパクトを駆動源とする新しい化学反応の開発に今後期待。
●有機溶媒由来の廃棄物や毒性,安全性を懸念する必要がなく,化学工業への展開に期待。

概要

北海道大学創成研究機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD),同大学院工学研究院の伊藤 肇教授,久保田浩司特任助教らの研究グループは,圧電材料を利用した新しい有機合成手法を開発しました。

圧電材料は,機械的な圧力や衝撃を受けると,その表面に電気(この場合,ピエゾ電気と呼ぶ)が瞬間的に発生します。この現象は家庭用ガスコンロ,ライターをはじめ,通信機用フィルタやアクチュエータなどに幅広く応用されています。しかし,この圧電効果を有機合成反応に応用した例はほとんど知られていませんでした。

本研究では,圧電材料と有機化合物の混合物を,ボールミルという粉砕機を用いて機械的な刺激を与えることで,圧電材料からのピエゾ電気によって化学反応が促進されることを見出しました。この反応は,廃棄物,コスト,毒性や安全性が懸念される有機溶媒を必要としない上,空気中で簡便に実施することができます。今後,安全で利便性の高い環境調和型有機合成手法として,化学製品,医薬品,機能性有機材料などの工業的製造への展開が期待されます。

なお,本研究成果は,2019年12月20日(金)公開のScience誌にオンライン掲載されました。

また,本研究は文部科学省科学研究費補助金「基盤研究A」(18H03907),「新学術領域研究(ソフトクリスタル:高秩序で柔軟な応答系の学理と光機能)(17H06370),「若手研究」(19K15547),国立研究開発法人科学技術振興機構JST-CREST「革新的反応」(JPMJCR19R1)及び文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の支援のもとで行われたものです。

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