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大腸がんの肝転移を促す新たな制御メカニズムを解明~免疫チェックポイント阻害治療の最適化に期待~(遺伝子病制御研究所 准教授 北村秀光)

2019年12月24日

ポイント

●担がん生体から産生されるIL-6を介した大腸がん肝転移の促進メカニズムを解明。
●IL-6を調節することで抗腫瘍免疫細胞を賦活し,大腸がんの肝転移巣形成を抑制。
●IL-6の制御による免疫チェックポイント阻害治療の抗腫瘍効果のさらなる向上に期待。

概要

北海道大学遺伝子病制御研究所の北村秀光准教授,同大学院医学研究院の武冨紹信教授らの研究グループは,がん免疫治療の最適化への応用が期待できる,大腸がんの転移を調節する新しい制御メカニズムの解明に成功しました。

がんが進行・再発している患者の生体内では,がん細胞を排除する抗腫瘍免疫細胞が機能不全となっていることが知られています。がんの治療において再発と転移を制御することは大変重要ですが,これまで生体内の免疫系によるがんの転移の制御メカニズムについてはあまりわかっていませんでした。

本研究では,大腸がん細胞の肝転移巣形成と宿主免疫系との関連について,大腸がん肝転移マウスモデルを構築して検討しました。その結果,担がん生体内で産生される炎症性サイトカインの一つIL-6が抗腫瘍免疫を抑制し,大腸がん細胞の転移巣形成を促進することを発見しました。さらに担がん環境下においてIL-6が欠損した状態では,免疫抑制性分子であるPD-L1を標的とした免疫チェックポイント阻害による抗腫瘍効果が増強され,肝転移モデルマウスの生存率を著しく延長することが確認できました。

本研究の成果によって,今後,がん患者に対する免疫チェックポイント阻害治療など,がん免疫治療の最適化に繋がることが期待されます。

なお本研究成果は,2019年12月1日(日),アメリカ癌学会(AACR)刊行のCancer Immunology Research誌に掲載されました。

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