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従来の1/10の時間で大腸菌数を測定する手法を開発~早く・安く・簡単に多くの飲料水や食品の安全性を確認~(工学研究院 教授 佐藤久)

2020年2月13日
北海道大学
セルスペクト株式会社

ポイント

●大腸菌が分解できる蛍光色素の蛍光強度を高感度で測り,大腸菌数を測定する技術を開発。
●測定時間はわずか2時間,測定コストは約2円の上,一度に96サンプルも測定可能。
●浄水場や食品加工場,開発途上国の井戸といった実際の現場での利用に期待。

概要

北海道大学大学院工学研究院の佐藤 久教授,セルスペクト株式会社の平野麗子研究員らの研究グループは,一度に多数のサンプル中の大腸菌数を早くて安価な上,簡単に測定できる技術の開発に成功しました。

大腸菌は本来,その名のとおり大腸の中に存在する細菌であり,自然界や食品には存在しません。そのような大腸菌が河川や地下水,飲料水や食品に存在することは,それらが大腸の中にあるもの,すなわち糞便で汚染されていることを示しています。ほとんどの大腸菌はヒトにとって無害ですが,糞便中には多種多様な病原菌が存在する可能性が極めて高く,糞便で汚染されたものを口にすることは好ましくないため,水や食品中の大腸菌数の測定が法律で定められています。また,大腸菌数の調査結果が出るまで安全性を保証できず水や食品を出荷できないため,製品が汚染されているかどうかをできるだけ早く調査する必要があります。

現在,大腸菌数は寒天培地や液体培地を用いて測定していますが,従来の方法では結果を得るまでに24時間程度かかります。研究グループは,大腸菌が持つ酵素を蛍光色素により高感度に検出することで,測定時間をわずか2時間に短縮することに成功しました。また,蛍光強度は大腸菌数と比例するため大腸菌数も測定できるほか,一度に96サンプルも測定できるため1サンプルあたりの測定コストは約2円と非常に安価であることも特徴です。

なお,本研究成果は,2020年1月25日(土)公開のScience of The Total Environment誌に掲載されました。

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マイクロプレートの写真。
1つのくぼみに0.2mLの液体が入っており,大腸菌が存在するくぼみだけ青い蛍光を発する。

10ヶ月に渡る大腸菌数測定の結果。
▲は公定法の測定 結果(左縦軸),●は本方法での測定結果(右縦軸)。
新手法での測定結果は公定法の測定結果とほぼ一致。