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名和豊春総長の解任について(総長代行 笠原 正典)

令和2年6月30日に、文部科学省から本学総長選考会議議長あてに、同日付けで名和豊春総長を解任した旨の通知がありました。本学としては、この事態を大変重く受け止めております。総長不在の状況がほぼ1年半に亘って続き、学生、保護者、教職員、同窓生をはじめ学内外の皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

名和前総長の教職員等に対する不適切な言動について、平成30年3月に理事・副学長から前総長に対し、口頭で注意喚起を行い、是正を求めました。しかしながら、不適切な言動はその後も続きました。平成30年10月22日には、本学の顧問弁護士から理事・副学長3名あてに、前総長の不適切な行為に関する資料が送付されました。この資料には、教職員から顧問弁護士に相談のあった事案が集約されておりました。その内容は到底看過しえないものでしたので、5名の理事全員の合意のもと、総長選考会議に検討をお願いしました。これを受け、第1回総長選考会議が平成30年11月6日に開催され、同会議の下に調査委員会が設置されました。総長選考会議は慎重に審議を重ね、最終的に30件の事案を不適切な行為として認定しました。総長選考会議はこれらの事案を総合的に判断したうえで、前総長は総長としての適格性に欠けているとの結論に達し、選考会議規程第18条第1項第4号にある「その他総長たるに適しないと認められるとき」に該当するとして、令和元年7月10日に文部科学大臣に対して解任の申出を行いました。 

文部科学省における調査においては、総長選考会議の手続きは適切に行われていることが確認され、総長選考会議が認定した30件の不適切行為のうち、28件が不適切な行為として認定されました。これを踏まえて、文部科学大臣が国立大学法人法第17条第2項に規定する「その他役員たるに適しないと認めるとき」に該当するとして解任したものです。

今回の事態は、前総長個人の資質によるところが大きいとはいえ、大学執行部として、結果的にその不適切な言動を抑止することができず、多くの皆様にご心配とご迷惑をおかけすることになったことをお詫び申し上げます。また、本学はこれまで本事案について限定的な説明しか行ってまいりませんでしたが、これはその内容が個人情報や個人の名誉に関わるものであり、事実確認がなされるまで開示すべきでないと判断したこと、さらに総長選考会議が文部科学大臣に解任の申出を行って以降は、文部科学省における国立大学法人法および行政手続法に基づいた手続きに影響を与えることは避けるべきであると判断したことによるものです。これまで情報開示が不十分であったとのご指摘は真摯に受け止めますが、本事案に係る事情につきご理解のほど、お願い申し上げます。

今回の事態にあたり、本学では国立大学法人法ならびに本学の総長選考会議規程に基づき手続きを進めてきました。総長の解任は本学にとって大変不名誉なことであり、きわめて遺憾ですが、本学総長選考会議が文部科学大臣に対し解任の申出を行ったことは、本学に自らを律する能力が備わっていることの証でもあると認識しています。また、前総長不在の間は、執行部が一丸となって運営に努め、本学の活動を堅持してきたことも申し添えます。

今後は、このような事態の再発防止に向け、実効性のある対策を講じるとともに信頼回復に努めてまいります。


令和2年7月1日

北海道大学総長代行
笠原 正典


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