新着情報

ホーム > プレスリリース(研究発表) > 飛んで灯に入る高速道路の虫!?~大規模野外実験で害虫トラップ開発に向けた知見~(電子科学研究所 助教 西野浩史)

飛んで灯に入る高速道路の虫!?~大規模野外実験で害虫トラップ開発に向けた知見~(電子科学研究所 助教 西野浩史)

2020年12月3日

ポイント

●マイマイガやクスサンなどの大型のガが380nmの波長の光に強く誘引されることを確認。
●地域に関わらず,日没直後の気温が20℃を超えるときにガの群飛が起こりやすいことを確認。
●持続可能な開発目標(SDGs)の「11.豊かな町作り」,「15.陸の生物多様性保全」への貢献に期待。

概要

北海道大学電子科学研究所の西野浩史助教,堂前 愛研究員,東日本高速道路北海道支社技術企画課の小松正宏氏,ネクスコエンジニアリング北海道の栗原啓伍氏らの研究グループは産学連携研究の一環として,大規模な野外実験を実施し,害虫を選択的に誘引するライトトラップの開発に向けた基礎的知見を得ました。

広い森林面積を持つ北海道では短い夏の間に多くの昆虫が発生します。マイマイガは多くの植物を食害する世界的森林害虫ですが,お盆の時期に高速道路沿線の光源に多数飛来し,休憩施設に定着したり,電子料金収受システムの目詰まりを起こしたりすることが問題となってきました。

本研究成果により,ガの群飛がおこりそうな気象条件の日に適正な波長を実装したトラップを設置することによって,マイマイガやクスサンの選択的防除が可能となることが示されました。現在はこの成果を元に,適正な光波長を実装したLEDトラップを作成しており,実用化を目指しています。

なお,本研究成果は,20201126日(木)公開のZoological Letters誌にオンライン公開されました。

詳細はこちら

201203_prpic.jpg
街灯に飛来するマイマイガ(2014年8月撮影)