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世界初!3Dプリンターと遠隔医療システムを活用した内視鏡手術のオンライン国際トレーニングシステムを考案~コロナ時代における手術教育に最適なソリューション~(医学研究院 教授 本間明宏)

2021年3月3日

ポイント

●日豪米の共同研究で,副鼻腔の内視鏡手術の国際オンライントレーニングシステムを考案。
●副鼻腔3Dモデルと遠隔医療システムで,世界のどこでもトップサージャンの指導が可能に。
●コロナ禍の影響で国内外の移動が制限された今,このシステムが世界に普及することが期待。

概要

北海道大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室の本間明宏教授,中丸裕爾准教授,鈴木正宣助教,オーストラリアアデレード大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科ピータージョン・ウォーモルド教授,アルキー・サルティス教授,アメリカQuintree社兼オークランド大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科のアダム・フォルベ教授のグループは,副鼻腔の内視鏡手術のオンライントレーニングシステムを考案しました。211日(木),12日(金)には北海道大学とアデレード大学間で,世界で初めて国際トレーニングを開催し,この"公開実験"の様子を世界にライブ配信しました。

今回,同グループは,北海道大学とアデレード大学の両方に3Dプリンターで作製した副鼻腔モデルを用意し,模擬手術を行いました。この模擬手術の内視鏡画像を遠隔医療システムQuintreeで世界的トップサージャンに共有し,参加者は個別に手術指導を受けました。そして,この様子をリアルタイムで全世界の医師にオンライン配信しました。

この3Dモデルは副鼻腔の形状だけではなく皮膚,軟骨や骨の硬度・質感・弾力も再現したもので,実際の人体に限りなく近い条件で模擬手術を行えます。大量生産が可能で,手術難易度によって分類されているため,術者の技量にあわせて簡単なモデルから複雑なモデルまで段階的に反復トレーニングすることができます。また,遠隔医療システムQuintreeを組み合わせることで,最大15人の術者がそれぞれ同時に行う模擬手術の内視鏡画面を,指導者が1つのスクリーンで確認し個別指導ができるようになりました。

この内視鏡手術のトレーニングシステムは,3Dモデルと手術器具,PCとインターネット回線さえあれば,世界中のどこでも行うことができます。国内外の移動が制限されたコロナ時代における手術教育に最適なソリューションと考えられ,今後,耳鼻咽喉科領域のみならず,内視鏡手術一般を対象として世界的に普及することが期待されます。

詳細はこちら

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(左)3Dモデルを用いた模擬手術の様子。
(右)今回は3ステーションをオーストラリアと繋ぎ,トップサージャンによる指導を全世界にリアルタイム配信。