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昆虫の「死んだふり」メカニズムの専門書を出版~国内研究者を中心に擬死について包括的に解説~(電子科学研究所 助教 西野浩史)

2021年5月24日

ポイント

●擬死(死んだふり)の誘発に寄与するセンサーを特定。
●擬死の維持には脳が必要と判明。
●筋負荷を減らす反射が,対捕食者戦略へと組み込まれた可能性。

概要

北海道大学電子科学研究所の西野浩史助教らの研究グループは昆虫の擬死についてのモノグラフを出版しました。

動物の中には予期しない強い刺激を受けると,突然身動きひとつしなくなるものがいます。この行動は擬死(いわゆる死んだふり,死にまね)と呼ばれています。

昆虫の擬死については,日本で精力的に研究されてきた経緯があり,国内研究者を中心に,この風変わりな行動のしくみや生存上の意義について包括的に解説したモノグラフ(岡山大学・酒井正樹 名誉教授編集)を出版しました。西野浩史助教は2章分(第7,8章)を担当し,擬死の生理メカニズムについて他章との比較の観点から解説しています。

なお,本成果は,2021年5月1日(土)(電子書籍版)公開のEntomology Monographs誌(シュプリンガー社,シリーズエディター:沼田英治 京都大学名誉教授)に掲載されました。

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擬死中感覚刺激に対する反応性が低下しているため,上下逆さまの 不自然な状態でも覚醒しないコオロギ(左)と今回出版された書籍(右)