新着情報

ホーム > プレスリリース(研究発表) > 世界初!免疫老化による腸内細菌叢の遷移メカニズムを解明~αディフェンシンをターゲットとした健康維持・疾病予防法開発に期待~(先端生命科学研究院 准教授 中村公則)

世界初!免疫老化による腸内細菌叢の遷移メカニズムを解明~αディフェンシンをターゲットとした健康維持・疾病予防法開発に期待~(先端生命科学研究院 准教授 中村公則)

2021年6月11日

ポイント

●人の加齢に伴う腸のαディフェンシンと腸内細菌叢の移り変わり(遷移)の関係を解明。
●高齢者は中高年者に比べて腸のαディフェンシンが低いという免疫老化メカニズムをはじめて解明。
●各年代の個人が適切な腸内細菌を保つ新しい健康維持法や疾患予防・治療法の進展に期待。

概要

北海道大学大学院先端生命科学研究院の中村公則准教授,綾部時芳教授は,同大大学院医学研究院の玉腰暁子教授との共同研究で,小腸のパネト細胞から分泌される自然免疫の作用因子である抗菌ペプチドαディフェンシンが高齢者では若年者に比べて低いことを示し,そのことが高齢者における腸内細菌叢の変化(遷移)に関与していることをはじめて明らかにしました。

本研究グループのメンバーである,先端生命科学研究院の清水由宇研究員らによる北海道に居住する健康な成人を対象にした本研究は,加齢に伴うαディフェンシンと腸内細菌が形成する腸内環境に焦点を当てることで,人の「免疫老化」の全く新しいメカニズムを明らかにした画期的成果です。

これまで新生児期から老年期にかけて,腸内細菌叢の組成が変化していくことはよく知られていましたが,そのメカニズムの詳細は未だ不明でした。この研究は,年齢が高い人ほど小腸パネト細胞が分泌するαディフェンシン量が低いという免疫老化をまず明らかにしました。さらに,αディフェンシン低下が,中高年者に比べた高齢者の腸内細菌叢の組成変化に関与することを示しました。

この結果は,これまで不明だった加齢に伴う腸内細菌叢の遷移のメカニズムとしてαディフェンシンの重要性を明らかにしたものです。今後,腸内細菌叢の異常が関与する様々な疾患の予防や新規治療の開発を通して,健康寿命の延伸に貢献することが期待されます。

なお,本研究成果は,2021年6月8日(火)オンライン公開の加齢医学の国際学術専門誌GeroScienceに掲載されました。

詳細はこちら


高齢者のαディフェンシン低下と腸内細菌叢変化