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肺がんに対する国際共同臨床試験~個々の肺がんの腫瘍サイズ、部位、病理学的性質に沿った放射線治療への貢献に期待~(医学研究院 教授 白𡈽博樹、助教 田口大志)

2023年9月28日

ポイント

●国際連携研究教育機構(GI-CoRE)で始めた国際共同臨床試験の10年間の成果が国際誌に発表。
●非小細胞肺がんT1-3N0M0 に対するGCP基準での多施設共同第Ⅱ相試験を実施。
●腫瘍サイズ、部位、病理学的性質に沿って定めた線量/分割回数/日数での体幹部定位放射線治療。

概要

北海道大学大学院医学研究院の白𡈽博樹教授、田口大志助教らの研究グループは、スタンフォード大学との国際共同臨床試験を行い、その成果が国際誌に発表されました。本研究は、本学の国際連携研究教育機構(GI-CoRE)量子医理工学グローバルステーションにて白𡈽博樹教授・井上哲也助教(当時)らが参加し、現在の医学研究院医理工学グローバルセンター(GCB)と医学研究院放射線治療学教室の田口助教らにバトンが渡され、足掛け10年をかけて行ってきた国際多施設共同第II相試験です。

本研究は、2011-2018年の間に登録された、末梢性小型肺がんの217の症例に対する体幹部定位放射線治療において、予め腫瘍サイズと部位と病理学的性質に沿って定めた線量/分割回数/日数での体幹部定位放射線治療を行い、その有効性と安全性を実証しました。

本研究は、GCP基準に沿った前向き臨床研究として、アカデミア主導で、企業の関与なく、北米の医療施設(スタンフォード大学病院)と日本の医療施設(北海道大学病院)で行われ、その研究体制が学会で高く評価されました。これは、文部科学省のご支援のもと、国際連携研究を推進してきた本学GI-CoREと医学研究院GCBそして臨床研究中核病院の北海道大学病院のご協力の賜物です。

本研究成果により、世界中の体幹部定位放射線治療において、個々の肺がん患者の腫瘍サイズ、部位、病理学的分類に沿った線量/分割回数/日数の個別化医療が推進されることが期待されます。

なお本研究成果は、JAMA Oncology誌で2023914日(木)にオンライン公開されました。

論文名:Ablative Radiotherapy for Lung Tumors: The iSABR Phase 2 Nonrandomized Controlled Trial(肺腫瘍への体幹部定位放射線治療:第2相非ランダム化前向き試験)
URL:https://doi.org/10.1001/jamaoncol.2023.3495

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肺がんへの放射線治療