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ウィリアム・スミス・クラーク博士の玄孫ケイレブ・キンボール・キング博士が北海道大学を訪問

ウィリアム・スミス・クラーク博士は、北海道大学の前身である札幌農学校の初代教頭です。クラーク博士は北海道の農学教育を牽引するなど、数多くの功績を残しました。2023年12月16日、クラーク博士の玄孫にあたるケイレブ・キンボール・キング博士が、約150年前に高祖父が過ごした札幌キャンパスの地を訪れました。


クラーク博士像の前にて記念写真。左から、嘉治美佐子さん、久田徳二客員教授、ケイレブ・キンボール・キング博士、横田篤理事・副学長、秦絵里国際部長

クラーク博士が残した「Be Ambitious!(大志を抱け!)」という言葉は今でも北海道大学の人々に浸透していますが、キング博士は、「大事なのは、何に対して大志を抱くかです」と語りました。キング博士は学者の家系に生まれながら、「より実用的で、人の役に立つことをしたかった」と言います。その思いに突き動かされ、ハーバード大学医学部で学び、さらにマサチューセッツ工科大学で社会環境工学を学びました。

キング博士は家族とともにルワンダで16年間暮らしたそうです。その間、特にルワンダ虐殺の際に破壊された現地の病院を支援する活動に貢献しました。医師、エンジニア、起業家としての幅広い経験を活かし、現在はノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校のInstitute for Convergent Scienceの所長を務めています。


北海道大学大学文書館でクラーク博士に関する特別展示を見学


北海道大学総合博物館で北大の歴史コーナーを見学

日本への訪問自体、今回が初めてだったキング博士。本学訪問には、オックスフォード大学で同級生だった嘉治美佐子さんも同行しました。本学を代表して横田篤理事・副学長が挨拶し、大学について紹介したところ、北海道大学の 「フロンティア精神」を知ったキング博士は、実にクラーク博士らしい観点だと述べました。

「フロンティア精神はとてもクラークのあり方に似ています。当時としては珍しく、クラークは博士号取得のためにドイツに留学をしていました。日本を含む世界のさまざまな場所を見てきた彼にとって、アメリカに戻るのは大変なことだったと思います」と話しました。

その後も、キング博士と本学関係者は、クラーク博士とそれぞれの大学について多くの言葉を交わしました。キング博士と嘉治さんは、本学の草創期にクラーク博士が重要な役割を果たしたことや、その影響がいまなお続いていることを感じ取っているようでした。

北海道大学大学文書館と北海道大学総合博物館を見学したキング博士は、北海道大学がその歴史を大切にしていることに非常に感銘を受けたと言い、「人はどうしても未来に向かって前だけを見がちです。過去から学ぶことで、人は前に進むこともできると思います。私たちは自分たちの遺産について知るべきです」と話しました。


馬渕奈美国際部国際連携課長(右)を交えた記念写真

この出会いを機に、キング博士は北海道大学とUNCの連携を希望していることにも触れました。「どんなものを開発しても人々の持続可能な発展に役立てようとする日本人の姿勢にはいつも感心しています。影響力のもたらし方についてもっと理解するために、私たちは北海道大学から学べることがあるかもしれません。将来の連携を楽しみにしています」とキング博士は話しました。

(取材協力:国際部国際連携課)
(文責:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)