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共同プロジェクト拠点「リニューアブルエナジー リサーチ&エデュケーションセンター(REREC)」を新設

【概要】
北海道大学は、202461日(土)付けで共同プロジェクト拠点「リニューアブルエナジー リサーチ&エデュケーションセンター(REREC*)」の設置を認定しました。

RERECは、地方への導入が進む再生可能エネルギー(以下、「再エネ」という)が、地域社会や環境にとって「ポジティブ」になることを目指し、北海道内の研究機関等とも連携し、研究開発、人材育成、関連する企業・自治体・団体等との連携、及び提言などを行っていきます。

REREC設立の背景と目的】
北海道は広大な土地と森林資源、また長い海岸線や豊富な地熱資源など、再エネのポテンシャルが高く、活用への期待が高まっています。

再エネのポテンシャルは地理的要因に大きく依存し、大規模な発電施設が作れるのは都市から離れた地方です。地方では過疎化・高齢化が進む中、そうした再エネ事業は地方創生の起爆剤となる可能性を有しています。しかし、収益性重視の大手資本が進出した場合、環境や地域固有の生態系の劣化、質の高い地元雇用に結びつかないなどの社会問題が起こりうる可能性があります。

そのため、事業推進一辺倒ではなく、再エネ事業に関わる人材の環境リテラシー(気候変動、生物多様性の科学的知見に基づく知識や能力)を向上させるための教育、再エネ事業を導入する側(発電事業者や行政など)と地元住民が科学的知見に基づき合意形成できる場や、環境評価や修復、啓発普及など関連する新たな産業と雇用が創出される仕組みを整えることが重要と考えています。

RERECでは、「持続可能なエネルギーの生産と環境保全の調和」に加え「地域との合意形成」から「地方創生」まで、という個々の研究では解決が困難な課題解決に向け、部局横断的に文理融合の教育研究を推進することにより、地域創生に貢献します。

【具体的な活動】
・地方の視点に立った包括的な環境影響評価、持続可能性に配慮した技術の開発
・分離融合研究による、地方創生を地域と共にデザインする仕組みの創出
・ネイチャーポジティブを実現する専門人材を育成し、地域における質の高い雇用を創出し地域社会ポジティブに貢献

まずは洋上風力発電事業関連の人材育成のための「北海道洋上風力アカデミー(仮)」(経済産業省洋上風力発電人材育成事業補助金事業)を手始めに、自治体、企業、教育研究機関等と連携したリカレント教育を展開してネイチャーポジティブ専門人材を輩出し、地元からの人材調達率・採用率の向上によって地域社会ポジティブにも寄与します。


【2024年7月4日(木)に行われた記者説明会の様子】

写真左から
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター センター長・教授
 兼 REREC代表                宮下 和士(みやした かずし)
北海道大学大学院工学研究院 教授       石井 一英(いしい かずえい)
北海道大学大学院水産科学研究院 教授 藤森  康澄(ふじもり やすずみ)
北海道大学サステイナビリティ推進機構 教授  加藤 悟(かとう さとる)

*REREC:Renewable Energy Research & Education Centerの略