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コラーゲン繊維に類似したコラーゲンマイクロファイバーを高速で紡糸する技術を開発~人工腱など様々な医療機器開発への貢献に期待~(産学・地域協働推進機構  産学連携推進本部)

2024年7月4日

北海道大学
新田ゼラチン株式会社

ポイント

●コラーゲン繊維と類似したナノ構造を持つコラーゲンマイクロファイバーの高速紡糸技術を開発。
●コラーゲンMFの束が人工腱としての利用に十分な硬度と強度を有していることを解明。
●人工腱など様々な医療機器開発への貢献に期待。

概要

北海道大学(総長:寳金清博、北海道札幌市)とゼラチン・コラーゲンペプチドの製造販売を行う新田ゼラチン株式会社(代表取締役社長:竹宮秀典、本社:大阪府八尾市、以下、「同社」という)は、共同研究により、生体組織の骨組みとなっているコラーゲン繊維と類似したナノ構造を持つコラーゲンマイクロファイバー(MF)を高速で紡糸する技術(以下、「本技術」という)を世界に先駆けて開発し、コラーゲンMFの束が人工腱としての利用に十分な硬度と強度を有していることを明らかにしました。

コラーゲンMFの紡糸技術として長年研究されてきた"湿式紡糸"には、従来の紡糸技術では凝固過程のコラーゲンを延伸しようとすると切れてしまう問題点がありましたが、本技術ではコラーゲン水溶液を、細い流路からエタノール浴へと押し出し、これにより形成される紐状コラーゲンゲルを乾燥してMF化する工程で、押し出し速度よりも高速で巻き取ることで、エタノール浴内での延伸を実現しました。

本技術の活用により、硬くて丈夫なコラーゲン材料を開発することで、人工腱など医療機器の未踏領域をコラーゲンにより開拓できると考えています。

本研究成果は、2024521日(火)公開のBiomedical Materials誌に掲載されました。

論文名:High-speed spinning of collagen microfibers comprising aligned fibrils for creating artificial tendons(人工腱の製造に有用な整列線維から成るコラーゲンマイクロファイバーの高速紡糸技術)
URL:https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-605X/ad49f6

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