2025年6月25日に第一報を行いました本学札幌キャンパスでの「ジャイアント・ホグウィード(学名:Heracleum mantegazzianum Sommier & Levier、和名:バイカルハナウド)」と類似したセリ科植物の生育について、現時点での対応状況を以下のとおり公表します。
○ 2025年6月24日に外部から指摘のあった植物については、学外者も容易に立ち入れる場所にあり、近隣には保育園もあること、また、海外では生態系に悪影響を及ぼす侵略的外来種として扱われていることから、6月25日、環境省、北海道、札幌市の担当とも協議のうえ、花及び葉の切除と、同定及び光毒性試験のためのサンプル収集を行いました。さらにその後、地際から全て刈り取りました。
○ 学内の植物学の専門家が論文などの情報から形態による同定を試みましたが、参照できる標本がなく、海外でも類似種と混同されている例が見られることから、ジャイアント・ホグウィードと同定するに至りませんでした。ただし、複数の特徴から在来のオオハナウドとは明らかに異なります。また、ジャイアント・ホグウィードを含む海外の類似種の一部からも危険性が報告されており、今回の植物にも皮膚炎を起こす成分が含まれている可能性があります。なお、上記の理由により、引き続きの同定作業は困難です。
○ 7月1日、2日の2日間にわたって行った専門業者による札幌キャンパス全域の調査及び学内の関連教員の確認と情報から、札幌キャンパス内では、今回発見された場所以外に対象種の生育は確認できませんでした。
○ 土壌中に種子が残されている可能性があるため、該当箇所について立入禁止を継続し、毎年、開花前に地上部を刈り取り、根絶を目指します。また、毎年の生態環境調査の対象として、継続して他の場所での生育がないかの調査を行います。
○ 対象種の化学成分や健康被害のリスクについては、光毒性の簡易試験の実施を準備中です。
今後も引き続き環境省、北海道、札幌市と協力しつつ、対象種の対応を進めてまいります。
また、北海道大学においては、引き続き外来種の防除など生物多様性の保全につとめてまいります。