2026年1月16日
ポイント
●細胞接着分子L1CAMがNF-κB炎症シグナル経路を活性化してがんの増殖を促進することを解明。
●L1CAM-NF-κB経路が子宮体がんの化学療法抵抗性にも関与することを解明。
●L1CAM-NF-κB経路を標的とした子宮体がんの新たな治療戦略に期待。
概要
北海道大学大学院医学研究院の谷口浩二教授、渡利英道教授及び同大学大学院医学院博士課程の黒須博之氏らの研究グループは、子宮体がんにおいて予後不良因子とされる細胞接着分子L1CAMが、炎症性転写因子NF-κBを活性化することで、がん細胞の増殖や治療抵抗性を引き起こすことを明らかにしました。
これまで同グループは臨床データからL1CAMが子宮体がんの予後不良因子であることを報告していましたが、その分子メカニズムは不明でした。本研究では、L1CAMがNF-κB経路を介して細胞周期を促進することで腫瘍を進行させ、抗がん剤(化学療法)に対する抵抗性を高めることを細胞実験及び患者検体解析により明らかにしました。
さらに、NF-κB阻害剤を併用することで、子宮体がんの治療に実際に用いられている抗がん剤(シスプラチン)の効果が増強されることも示されました。これにより、L1CAM-NF-κB経路が新たな治療標的となる可能性が示唆されました。
本研究の結果から、子宮体がんにおいてL1CAMの発現増加がNF-κBの活性化を介して、がん細胞の増殖と治療抵抗性を促進していることが明らかとなりました。これにより、L1CAMが子宮体がんの個別化医療における新たな治療標的の候補となる可能性が示されました。
なお、本研究成果は、2026年1月8日(木)公開のCancers誌にオンライン掲載されました。
論文名:L1CAM Promotes Human Endometrial Cancer via NF-κB Activation(L1CAMはNF-κBの活性化を通してヒト子宮体がんを促進する)
URL:https://doi.org/10.3390/cancers18020198
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