2026年2月4日
ポイント
●妊娠前の放射線被ばくが、次世代の臓器ごとにミトコンドリアDNA量を変化させることを発見。
●脳・肝臓では親の被ばく由来に応じた変化が生じ、心臓では影響がみられなかった。
●ミトコンドリアDNA量の変化が、出生時の体重・肝重量の増加と関連することを示した。
概要
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授らの研究グループは、両親の妊娠前の放射線被ばくが、子どもの各臓器におけるミトコンドリアDNAの量(コピー数)に影響することを、マウスを用いた実験で明らかにしました。また、その影響は臓器ごとに異なる形で現れることも分かりました。さらに、肝臓のミトコンドリアDNAコピー数が小さいほど、肝重量が大きいという関連もみられ、ミトコンドリアゲノム量的制御の変化と出生時の臓器成長との関連も新たに示唆されました。
放射線次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな知見は、今後、より安全で合理的な放射線防護・健康リスク評価を可能とする基盤的知見として活用されるとともに、放射線遺伝学の新境地を切り拓くブレイクスルーになるものと期待されます。
なお、本研究成果は2026年1月30日(金)公開のRedox Biology誌にオンライン掲載されました。
論文名:Intergenerational and organ-specific alterations in mitochondrial DNA copy number following preconception irradiation(受胎前被ばく後にみられるミトコンドリアDNAコピー数の世代間及び臓器特異的変化)
URL:https://doi.org/10.1016/j.redox.2026.104054
詳細はこちら

妊娠前の放射線被ばくは、子どもの臓器ごとにミトコンドリアDNA量を変化させ、出生時の体重や肝重量の増加と関連していたことを示す。



















