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皮脂ワックスエステルの詳細な組成と合成酵素を解明~乾燥肌、ニキビ、脱毛の治療及び診断法の開発に期待~(薬学研究院 教授 木原章雄)

2026年2月4日

ポイント

●哺乳類のモデル生物であるマウスの皮脂を構成するワックスエステルの詳細な組成の解明に成功。
●ワックスジエステルとしてタイプ2αとタイプ2ωが存在することを解明。
●FAR2AWAT2タンパク質(酵素)がワックスエステルの産生に関与することを解明。

概要

北海道大学大学院薬学研究院の木原章雄教授らの研究グループは、皮脂を構成するワックスエステル(ワックス)のタイプ及び分子種の詳細について明らかにしました。

皮脂は保湿、撥水、抗菌、体温維持、毛の保持などの役割を担い、皮脂の分泌量の増減や組成の変化はニキビ(ざ瘡)、乾燥肌、脂漏性皮膚炎、脱毛症などの皮膚疾患を引き起こします。ワックスエステルはワックスモノエステルとワックスジエステルに分類され、ワックスジエステルはさらに異なったタイプに分類されます。これまで皮脂中のワックスエステルのタイプ及び詳細な分子種とその生合成に関わる酵素/遺伝子には不明な点が多く残されていました。研究グループは液体クロマトグラフィー連結タンデム質量分析の多重反応モニタリングモードという高選択性、高感度、高定量性の測定法を用いて、哺乳類のモデル生物として汎用されるマウスの皮脂中のワックスエステルの解析を行い、ワックスジエステルタイプ2α及び2ωの存在と、ワックスエステルの詳細な分子種組成を明らかにしました。また、脱毛を示すFar2及びAwat2遺伝子ノックアウト(KO)マウスを解析し、ワックスエステルの多くの分子種の産生にこれらがコードするタンパク質(FAR2及びAWAT2)が関与することを明らかにしました。

以上、研究グループは皮脂の詳細なワックスエステル組成とその生合成の分子機構を明らかにしました。この成果と本研究で用いた測定手法は皮脂組成異常の診断法とニキビ、乾燥肌、脱毛などの治療法の開発へとつながることが期待されます。

なお、本研究成果は、2026128日(水)公開のiScience誌にオンライン掲載されました。

論文名:Detailed composition of wax esters in mouse sebum and the involvement of FAR2 and AWAT2(マウス皮脂中のワックスエステルの詳細な組成とFAR2及びAWAT2の関与)
URL:https://doi.org/10.1016/j.isci.2026.114836

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本研究の概要