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オニ、リシリ、ホソメ、マコンブは遺伝的に区別できない~マコンブとオニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブの分類学的な統合を提案~(水産科学研究院 助教 秋田晋吾)

2026年2月16日

ポイント

●オニ、リシリ、ホソメ、マコンブに相当する遺伝集団が存在しないことを本研究で確認。
●遺伝集団が検出できないため、オニ、リシリ、ホソメをマコンブに統合することを発表。
●細かなスケールでの遺伝的地域性を確認できたことから、各地域でブランド昆布が創出できる。

概要

北海道大学大学院水産科学院修士課程2年(当時)の地崎賢汰氏、同大学大学院水産科学研究院の秋田晋吾助教、宇治利樹准教授、水田浩之教授らの研究グループは、マコンブSaccharina japonicaの変種に含まれていたオニコンブ(ラウスコンブ)S. japonica var. diabolica、リシリコンブS. japonica var. ochotensis、ホソメコンブS. japonica var. religiosaは、形態的にも遺伝的にもマコンブと区別できないことから、マコンブと統合して同種と扱うことが分類学的に妥当であると発表しました。

マコンブ、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブは産業において極めて重要な海藻です。しかしながら、産業利用の基本的な単位である種の境界が不明瞭でした。具体的には、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブをマコンブの変種と扱うことが発表された後、それらに対応する遺伝集団の存在が示唆されていました。しかしながら、これを支持する研究は1報のみでした。そこで、本研究ではマコンブ、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブを合計で475個体集め、集団遺伝学的な再検討を実施しました。その結果、マコンブ、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブに相当する遺伝集団は存在せず、地域特異的な遺伝集団が認められました。したがって、マコンブ、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブは遺伝的に区別できないため、同種として扱うことが妥当と考えられました。種を統合する際は、最も古く記載された種に統合する規則が国際命名規約で定められていることから、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブをマコンブに統合することを発表しました。

なお、本研究成果は、202618日(木)公開のJournal of Phycology誌にオンライン公開されました。

論文名:Lack of genetic support for varieties in Saccharina japonica (Laminariales,  Phaeophyceae): Proposal for taxonomic merger(マコンブの変種を支持する遺伝集団は存在しない。変種の分類学的な統合の提案)
URLhttps://doi.org/10.1111/jpy.70120

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本研究の概念図