2026年3月27日
北海道大学
東京科学大学
ポイント
●手首X線マルチタスクデータセット「RAM-W600」を公開。
●セグメンテーションと標準的骨侵食スコアリングに対応し、高品質なアノテーションを提供。
●関節リウマチ自動評価AIベンチマークとして活用可能で、診断支援やアルゴリズム比較を促進。
概要
北海道大学大学院保健科学研究院の神島保教授、同大学量子集積エレクトロニクス研究センターの池辺将之教授、同大学大学院保健科学院博士後期課程の王昊霖氏、東京科学大学工学院システム制御系の奥富正敏特任教授、博士後期課程の楊松暁氏、同大学総合研究院の欧亜非研究員らの研究グループは、関節リウマチ(RA)の診断支援に向け、手首X線画像に基づく初のマルチタスクデータセットとAIベンチマークを公開しました。
RAは代表的な自己免疫疾患であり、臨床現場ではX線画像が関節破壊評価に広く用いられています。特に手首は診断上重要な部位ですが、複雑な骨構造や疾患進行による骨変形のため、高精度なアノテーションが難しく、コンピューター支援診断(CAD)研究は限られていました。
研究チームは手首X線画像に基づく初の公的マルチタスクデータセットRAM-W600を公開しました。対象は388名の患者のX線画像1,048枚で、618枚に骨インスタンスセグメンテーション注釈、800枚に標準的評価法である、Sharp/van der Heijde(SvdH)法による骨びらんスコアが付与されています。さらに、Unet、TransUNetなどの代表的な深層学習アーキテクチャや、SAMといった基盤モデルを用いた多様なAIベンチマーク実験が実施され、性能比較が行われました。
RAM-W600は、RA関連の多様な研究課題に資する可能性を有しています。また、手根骨骨折の局在化など、手首に関連する他の課題にも応用可能です。本データセットが手首領域におけるCAD研究の障壁を大幅に低減し、RA研究及び臨床応用の発展を促進することを期待しています。
本研究成果は、2025年12月2日(火)から米国サンディエゴで開催されたAI関連難関国際会議NeurIPSのDataset and Benchmark Trackで発表されました。また、2026年6月10日(水)~12日(金)に横浜で開催される画像センシングシンポジウムにおいても発表される予定です。
論文名:RAM-W600: A Multi-Task Wrist Dataset and Benchmark for Rheumatoid Arthritis(RAM-W600:関節リウマチに向けた手首関節マルチタスクデータセットと ベンチマーク)
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