2026年3月9日
ポイント
●木材価格を大幅に高める「杢(もく)」の定量的評価に成功。
●杢の割合が高い個体の特徴を解明。
●高付加価値材につながる個体の選木基準・育成方法の進展に期待。
概要
北海道大学大学院環境科学院博士後期課程の仲谷 朗氏と同大学北方生物圏フィールド科学センター雨龍研究林の宮崎 徹技術専門職員、同大学北方生物圏フィールド科学センター北管理部の吉田俊也教授の研究グループは、北海道に広く生息するイタヤカエデ60個体を対象に、木材価格を大幅に高める「杢(もく)」(繊維の乱れが材表面に現れる複雑な模様)に着目し、その板面積に対する割合と個体ごとの成長特性(樹形や年輪幅、個体サイズなど)との関係を分析しました。
その結果、杢の割合は年輪幅や個体サイズとは関係性が弱く、樹幹の曲りが大きい個体や二股の位置が近い部分で高いことを突き止めました。このことは、間伐*1などの森林管理が、主に樹幹形状の変化を通して杢の形成に影響を与える可能性を示唆しています。一方で、多くの個体(87%)に杢の出現が見られましたが、杢の割合が31%以上の個体は60個体中3個体だけであり、大きな杢を持つ個体は非常に限られていることが分かりました。丸太全体に杢が出現する場合、それは一般材の数十倍もの値が付くことがあるため、森林管理のオプションとして、従来は材の欠点として早期に除去対象であった樹幹が大きく曲がった個体や二股のある個体を計画的に残すことが、将来的な森林の商業的価値・収益性の向上に寄与する可能性が示されました。
なお、本研究成果は、2026年2月23日(月・祝)公開のカナダの国際誌Canadian Journal of Forest Researchにオンライン掲載されました。
論文名:Figured wood occurrence in Acer pictum is related to tree form(Acer pictumにおける杢の出現は樹形と関連している)
URL:https://doi.org/10.1139/cjfr-2025-0171
詳細はこちら

杢(もく)とは、木材の表面に現れる、通常の年輪(木目)とは異なる複雑で美しい模様のこと。古くから世界中でその価値は高く評価され、高級な家具や楽器などに利用されている。



















