2026年4月9日
ポイント
●妊娠初期の放射線被ばくで母体及び仔のミトコンドリアDNA(mtDNA)が線量依存的変化。
●仔では、母に比べて、より低い線量からコピー数の増加がみられた。
●放射線健康リスク推定の高精度化と放射線防護体系の堅牢化の進展に期待。
概要
北海道大学大学院保健科学研究院の福永久典准教授(環境健康科学研究教育センター副センター長)、清野良輔学術研究員、池田敦子教授、同大学大学院保健科学院修士課程の久保春果氏の研究グループは、妊娠初期の放射線被ばくが母体及び仔のミトコンドリアDNAに与える影響をマウスモデルで解析し、母体と仔で異なる応答様式が生じることを明らかにしました。特に、仔では低線量から変化が検出される一方で、体重や性比といった発育指標には影響がみられず、従来の指標では捉えられない次世代影響の可能性が示されました。
放射線の次世代影響とミトコンドリアゲノムを結ぶこの新たな研究成果は、今後、より安全で合理的な放射線防護・健康リスク評価を可能とする基盤的知見として活用されるものと期待されます。
なお、本研究成果は2026年3月28日(土)公開のFree Radical Biology and Medicine誌にオンライン掲載されました。
論文名:Mitochondrial DNA alterations in mothers and offspring following in utero exposure to ionizing radiation(受胎内放射線被ばくによる母体及び次世代のミトコンドリアDNA変化)
URL:https://doi.org/10.1016/j.freeradbiomed.2026.03.065
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妊娠初期の放射線被ばくは、母体には高線量でmtDNAの量的増加と正常コピー比の低下をもたらす一方、仔にはより低線量からmtDNAコピー数の増加をもたらす。



















