2026年5月29日
ポイント
●全ゲノム倍加後の細胞を6日間・150系譜以上にわたり1細胞ずつ追跡。
●増殖性を獲得できた系譜は1割未満で、多くは早期に死滅することを発見。
●多極性の染色体分配が、系譜の生存とゲノム不均一性を左右する主要因であることを特定。
概要
北海道大学大学院生命科学院博士後期課程の楊 光氏、慶應義塾大学の舟橋 啓教授、北海道大学大学院農学研究院の佐藤昌直准教授、同大学大学院先端生命科学研究院の上原亮太准教授らの研究グループは、全ゲノム倍加を起こしたヒト細胞がその後どのような運命をたどるのかを、長期間のライブイメージングによって網羅的に解析しました。
全ゲノム倍加は、がんをはじめとする多様な生命現象に関与する重要な細胞イベントですが、倍加後の細胞集団がどのように取捨選択され、増殖可能な細胞が生み出されるのかについては、これまでほとんど分かっていませんでした。
本研究では、全ゲノム倍加後の細胞を1系譜ずつ詳細に追跡した結果、増殖性を獲得できる系譜は全体の1割未満であり、その運命は多極性分裂が「いつ」「どの程度」起こるかによって大きく左右されることを明らかにしました。これらの成果は、全ゲノム倍加細胞が形成・淘汰されていく過程の理解を深めるとともに、がん細胞集団の多様性が生まれる仕組みを理解するための重要な基盤知見になると期待されます。
なお、本研究成果は、2026年5月26日(火)公開のBiology Open誌にオンライン掲載されました。
論文名:Profiling cell proliferation after whole-genome duplication in human cells(ヒト細胞における全ゲノム倍加後の増殖パターンの解析)
URL:https://doi.org/10.1242/bio.062568
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がん形成・進行の要因となる全ゲノム倍加細胞の複雑な増殖プロセスを、長期ライブイメージング及び系譜解析により特定し、特徴的なパターンに分類した。



















