2026年6月24日
北海道大学
自然科学研究機構生命創成探究センター
ポイント
●酵素反応による自発的なブロック共重合機構を解明。
●重合中の酵素の構造変化を解析することに成功。
●高機能バイオプラスチックの微生物合成技術の発展に期待。
概要
北海道大学大学院工学研究院の松本謙一郎教授らの研究グループは、自然科学研究機構生命創成探究センター、北海道大学大学院薬学研究院の研究グループと共同して、代表的な生分解性プラスチックであるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を合成する重合酵素において、重合反応そのものが酵素の機能を切り替える"自己誘導型機能スイッチング"を発見しました。研究グループが過去に開発したPHAの重合酵素「PhaCAR」は、2種類の基質の混合物から、自発的にブロック共重合体を合成することが見出されていました。しかし、本酵素が重合の途中でモノマーを切り替える仕組みは分かっていませんでした。本研究は、「酵素が自らの反応産物によって機能を切り替え、モノマー配列を制御する」という、これまで知られていなかった生体高分子合成の原理を明らかにしました。本成果は、PHAの物性制御を飛躍的に拡張し、次世代の生分解性材料開発に新たな指針を与えるものです。
なお、本研究成果は、2026年6月14日(日)公開のJournal of the American Chemical Society誌にオンライン掲載されました。
論文名:Polymerization-Induced Functional Switching of Engineered Polyhydroxyalkanoate Synthase Directs Block Copolymerization(重合反応によるPHA合成酵素の機能変化がブロック共重合を引き起こす)
URL:https://doi.org/10.1021/jacs.6c04919
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