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島に隔離される鳥類は固有の羽色を発達させる〜遺伝的系統から見た琉球列島におけるリュウキュウコノハズクの羽色の変異〜(理学研究院 教授 髙木昌興)

2026年6月4日

北海道大学
山階鳥類研究所

ポイント

●リュウキュウコノハズクの羽色はケラマ海峡を境にした北側と南側で異なることを解明。
●南北2系統が同所的に生息する沖縄島では羽色差が消失し系統間の交雑の進行を示唆。
●徳之島と西表島では特異的な羽色変異を獲得。

概要

北海道大学大学院理学研究院の髙木昌興教授、同大学大学院理学院博士後期課程の榛沢日菜子氏、山階鳥類研究所の齋藤武馬氏、北海道大学大学院理学研究院の澤田 明助教(研究当時:早稲田大学)らの研究グループは、画像解析により琉球列島に生息するリュウキュウコノハズクを用いて、羽色が遺伝的な系統間や生息している島間で差異があるか、環境要因に影響を受けているかを明らかにしました。

琉球列島においては、沖縄島と宮古島の間にあるケラマ海峡が、このリュウキュウコノハズクの分布域を約270kmにわたって分断しています。この海峡によって分断された北側と南側の島の個体群は、ミトコンドリアDNACO1領域)の遺伝子解析により、二つの異なる遺伝的系統群を形成していることが明らかになっています。しかし、例外的に沖縄島においては両系統が混在して生息しています。そこで、本研究ではケラマ海峡の北側の奄美大島、徳之島(純粋な北系統)、両系統が混在する沖縄島、ケラマ海裂の南側の宮古島、石垣島、西表島、波照間島、与那国島(純粋な南系統)のリュウキュウコノハズクの羽色を画像解析により数値化しました。その結果、リュウキュウコノハズクの羽色がミトコンドリアCO1遺伝子に基づいた北系統と南系統の2系統間で異なることを解明しました。また、両方の系統群が存在する沖縄島ではこの差異が観察されず、2系統間の交雑が起きていることが示唆されました。一部の島間でも羽色の差異が確認されましたが、気温や植生などの環境要因と本種の羽色について直接的な相関は見られませんでした。そのため、琉球列島における本種の羽色の変異は、分布域全体にわたる連続的な形質ではなく、地理的隔離によって形成されたものであると考えられます。

なお、本研究成果は、202664日(木)公開のOrnithological Science誌にオンライン掲載されました。

論文名:Differences in plumage coloration between northern and southern populations of the Ryukyu Scops Owl in the Ryukyu Archipelago(琉球列島におけるリュウキュウコノハズクの北系統個体群と南系統個体群の羽色の差異)
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/osj/advpub/0/advpub_OSJ-2025-017/_article/-char/ja

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リュウキュウコノハズクどちらも成鳥だが、同じ種でも羽色の差異が大きい