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二酸化塩素ガスの高病原性鳥インフルエンザウイルス不活化効果の確認~養鶏場での疾病発生ゼロを目指して~(獣医学研究院 教授 迫田義博)

2026年6月4日

ポイント

●二酸化塩素ガスは人間や動物に安全な濃度で除菌作用を示すことが知られている。
●安全な濃度かつ短時間の作用で、高病原性鳥インフルエンザウイルスを100分の1に減少。
●ニワトリを用いた高病原性鳥インフルエンザウイルスの不活化効果を初めて確認。

概要

北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授らの研究グループは、除菌作用が知られている二酸化塩素ガスを用いて、高病原性鳥インフルエンザウイルスを不活化できることを確認しました。研究では細胞を用いた試験と生体を用いた試験の両方で効果を検証しました。

高病原性鳥インフルエンザは、病原性の高い鳥インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。世界各地で家禽や野鳥への感染が続いているほか、近年は哺乳動物への感染も報告されており国際的な問題となっています。日本でも養鶏場で大規模な発生が繰り返されており、卵不足や価格上昇など、社会生活への影響が生じています。一方で、養鶏場における従来の衛生対策だけでは対応に限界があることから、新たな感染対策技術の開発が求められていました。

迫田教授らの研究グループは、高病原性鳥インフルエンザウイルスを含む空間に低濃度の二酸化塩素ガスを5分間作用させたところ、ウイルス量が100分の1以下に減少することを確認しました。さらに、同じ条件で処理したウイルスをヒヨコに暴露したところ、感染を十分に防ぐ効果が認められました。

今回の研究成果は、二酸化塩素ガスが高病原性鳥インフルエンザ対策に応用できる可能性を示すものです。また、二酸化塩素ガスは他の気体による消毒方法と比べて、人間や動物への安全性が高いと考えられており、将来的には養鶏場などの畜産現場での活用が期待されます。

なお、本研究成果は2026123日(金)公開の学術誌 Food and Environmental Virology にオンライン掲載されました。

論文名:Evaluation of the efficacy of low-concentration gaseous chlorine dioxide in inactivating airborne H5 high pathogenicity avian influenza virus in vivo model(低濃度二酸化塩素ガスによるH5高病原性鳥インフルエンザウイルスの空気感染不活化の生体内モデルによる評価)
URL:https://doi.org/10.1007/s12560-026-09677-3

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二酸化塩素ガスによる高病原性鳥インフルエンザウイルス感染からの防御