2026年6月9日
ポイント
●地域高齢者を対象に、脳内のアミロイドβタンパク蓄積が認知機能低下と関連することを確認。
●一方、身体活動量が多い集団では、アミロイド蓄積に伴う認知機能低下が小さい傾向を明らかに。
●運動強度に着目した縦断調査により、身体活動と認知機能変化に関する新たな知見を提供。
概要
北海道大学大学院教育学研究院の牧野圭太郎講師、国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センターの島田裕之センター長らの研究グループは、地域高齢者を対象とした2年間の縦断調査から、中高強度の身体活動を習慣的に行っている高齢者では、脳内アミロイドβ蓄積に伴う認知機能低下が小さい傾向にあることを明らかにしました。
アルツハイマー病の前段階では、認知機能の低下に先行して、脳内にアミロイドβと呼ばれるタンパクが過剰に蓄積することが知られています。一方、習慣的な身体活動は認知機能の維持に有益であると考えられていますが、脳内の神経病理との関連については十分に検討されていませんでした。本研究では、身体活動習慣と脳内アミロイドβ蓄積が認知機能変化に及ぼす相互作用を検討しました。
その結果、アミロイド蓄積と認知機能低下との関連は中高強度身体活動の多寡によって異なり、中高強度身体活動が多い集団ではアミロイド蓄積に伴う認知機能低下が小さい傾向が認められました。この成果は、地域高齢者の認知機能維持を目指す上で、強度別の身体活動と認知機能変化との関連性についての新たな知見を提供するものと考えられます。
なお、本研究成果は、2026年5月25日(月)公開のGeroScience誌にオンライン掲載されました。
論文名:Interaction of moderate-to-vigorous physical activity and brain amyloid accumulation on longitudinal cognitive change(中高強度の身体活動と脳内アミロイド蓄積が認知機能の経時的変化に及ぼす相互作用)
URL:https://doi.org/10.1007/s11357-026-02338-0
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