イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」は6月24日(水)、大学の社会貢献度をSDGsの枠組みで評価する「THE Sustainability Impact Ratings 2026(THE サステイナビリティインパクトレーティング2026)」を公表しました。北海道大学は、世界の1,603大学を対象とした総合ランキングで過去最高の世界7位、7年連続で国内1位の評価を獲得したことを受け、25日(木)に札幌キャンパスで記者会見を行いました。
会見には寳金清博総長、瀬戸口剛理事・副学長、サステイナビリティ推進機構SDGs事業推進部門の加藤 悟教授が出席し、今年度の評価結果と今後の方針について説明しました。
6分野で国内単独1位、幅広い分野で高評価

THE サステイナビリティインパクトレーティング2026で、北海道大学が世界7位に選ばれたことを示す公式ロゴ
今回の結果について寳金総長は、「150年前に札幌農学校が寒冷地農業というテーマに挑戦し始めて以来、SDGs・サステイナビリティへの取り組みは、本学の歴史そのものです。北大のコア(中心)であるサステイナビリティが評価されたことは、とてもうれしく思っています。北大が地域に根差し、地域創生の大きなエンジンになるためにも、これからも努力をしていきたいと思っています」と述べました。
大学の総合的な社会貢献力を評価
THE サステイナビリティインパクトレーティングは、国連が掲げるSDGsの枠組みに基づき、大学が持続可能な社会の実現にどのように貢献しているかを評価する指標です。研究だけでなく、教育、社会連携、大学運営など、大学の社会貢献に関する幅広い取り組みが対象となります。

記者会見では、今年本学が世界7位となり、国内1位を7年連続で獲得したことが報告された。
今年度、SDG別のランキングにおいては、「SDG2 飢餓をゼロに」で世界2位、国内1位を獲得しました。そのほか、「SDG11 住み続けられるまちづくりを」、「SDG14 海の豊かさを守ろう」、「SDG15 陸の豊かさも守ろう」、「SDG16 平和と公正をすべての人に」、「SDG17 パートナーシップで目標を達成しよう」の計6分野で国内単独1位となり、多様な領域での取り組みが高い評価を受け、総合的に認められました。
瀬戸口理事は「スマート農業の取り組みや、自治体との連携フォーラム、練習船『おしょろ丸』の運航や広大な研究林などを研究教育に活かし、社会実装を進めてきたことが大きなポイントになったと思います」と述べました。
北海道大学のサステイナビリティの取り組みを説明する瀬戸口理事
北海道大学は、国連が2015年にSDGsを採択するよりも前の1997年に日本の国立大学として初めてキャンパスマスタープランを策定し、2005年には「持続可能な開発」に関する国際戦略を公開しました。加藤教授は「北大は国内でも早くからサステイナビリティに関する取り組みを進めてきました」と説明しました。
また、学部1年生全員を対象としたサステイナビリティ教育や、大学院での同分野やダイバーシティ科目の充実、サステイナビリティ推進機構による全学的な推進体制など、大学全体で持続可能性に向けた取り組みを行っています。加藤教授は「今回の評価は、複数分野にわたる取り組みと、150年にわたる教育研究の蓄積、それを支える全学的な推進体制の三つが一体となって、持続可能な社会に対する具体的なインパクトを創出していることが評価されたものと考えています」と解説しました。
持続可能な社会を次世代へ
THE サステイナビリティインパクトレーティングの順位が昨年から大きく上がった理由について、寳金総長は、水産学部でキングサーモンの養殖に成功した「函館マリカルチャープロジェクト」やスマート農業を例に挙げ、「大学の研究・教育の社会実装が可視化されていることが大きいと思います」と述べました。
また、瀬戸口理事は「論文として研究成果を出すだけではなく、地域連携フォーラムや、研究成果を大学ブランドとして商品化し社会に浸透させるなど、地道な研究が目に見える形で社会に知られていることが大きな要因になっていると思います」と分析しました。
今後の展望について寳金総長は、脱炭素社会、GX(グリーントランスフォーメーション)など、地域と世界が直面する課題に対し、分野を越えて総合大学として取り組み続ける姿勢を示しました。
北海道大学は、総合大学として多様な分野の知を結びつけながら、これからも持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(文責・撮影:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)
記者会見の様子
(関連リンク)
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