2026年7月27日
北海道大学
科学技術振興機構
ポイント
●嫌悪回避から報酬獲得への行動の切り替えプロセスを確認。
●ドーパミン動態が相反する行動を制御するスイッチであることを証明。
●行動を切り替える脳内ネットワークの全容解明への進展に期待。
概要
北海道大学大学院薬学研究院の木村 生准教授らの研究グループは、嫌悪と報酬を同時に予測させる独自の行動課題をマウスに実施し、脳の線条体尾側におけるドーパミン動態をリアルタイムで測定・操作しました。その結果、嫌悪刺激に対する線条体尾側ドーパミンの応答が、経験の反復に伴って徐々に減少していくプロセスこそが、脅威への適応(慣れ)を引き起こす決定的な要因であることが明らかになりました。さらに、この線条体尾側ドーパミンの脅威への適応が完了して初めて、報酬を求める行動が促進されることが判明しました。
本研究成果は、恐怖を乗り越えて前向きな行動へ転換する際の脳内メカニズムを明らかにするものであり、これまで知られていなかった新たなドーパミンの機能的役割を示す重要な知見です。
なお、本研究成果は、日本時間2026年7月24日(金)公開のCommunications Biology誌にオンライン掲載されました。
論文名:Dopamine dynamics as a regulatory mechanism for shifting between defensive and reward-seeking behaviors(脅威回避と報酬探索の行動切り替えをつかさどるドーパミン神経調節機構)
URL:https://doi.org/10.1038/s42003-026-10485-5
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