2026年7月27日
ポイント
●腎不全における血管石灰化は、変性した弾性線維を起点として開始することを発見。
●血管石灰化は弾性線維への石灰化沈着と生物学的石灰化が混在した病態であることを明らかに。
●カルシウム感知受容体作動薬ウパシカルセトが腎不全マウスの血管石灰化を抑制することを確認。
概要
北海道大学大学院歯学研究院の長谷川智香准教授、網塚憲生教授らの研究グループは、株式会社三和化学研究所との共同研究により、腎不全モデル動物における血管石灰化の病理機序を解明するとともに、同社が開発したカルシウム感知受容体作動薬ウパシカルセトが血管石灰化を抑制させることを明らかにしました。
腎臓が障害を受けると、血液中のカルシウムやリンなどのミネラルバランスが崩れ、骨が脆くなるとともに血管壁の石灰化が生じます(慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常:CKD-MBD)。本研究において、高カルシウム、高リン血症を呈する腎不全マウスの大動脈では、変性した弾性板への石灰化沈着と骨芽細胞様細胞による生物学的石灰化により、石灰化が誘導されることが明らかになりました。一方、ウパシカルセトを投与したマウスでは、血中カルシウム、リン、PTH濃度が低下し、弾性板の変性や血管石灰化が抑制されていました。このことから、ウパシカルセトは、血中のミネラルバランスを是正し、弾性線維の変性を抑制することで、血管石灰化を抑制する可能性が示されました。
なお、本研究成果は、2026年6月18日(木)公開のScientific Reports誌にオンライン掲載されました。
論文名:Elastin Calcification During the Initial Stage of Vascular Calcification in kl/kl Mice is Suppressed by the Calcimimetic Upacicalcet(kl/klマウスにおける血管石灰化の初期段階におけるエラスチン石灰化は、カルシミメティックであるウパシカルセトによって抑制される)
URL:https://doi.org/10.1038/s41598-026-56029-z
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本研究成果から想定される、腎不全モデル動物でみられる血管石灰化の発症メカニズムと、カルシウム感知受容体作動薬ウパシカルセトによる血管石灰化抑制作用の機序。



















