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国内初のコロナ流行地で、大学生の健康はどう変わった?~大学閉鎖期の学生の健康悪化と、改善と関わる生活習慣の鍵とは~(教育学研究院 准教授 山仲勇二郎)

2026年9月24日

ポイント

●新型コロナウイルスの国内初期流行地・北海道における大学生の健康変化を詳細に分析。
●睡眠と身体活動の変化と健康悪化及び改善が関連することを発見。
●外出自粛を伴うパンデミック時の健康を守るための支援策立案に資する基盤的知見を提供。

概要

北海道大学大学院教育学研究院の松浦倫子学術研究員と山仲勇二郎准教授の研究グループは、国内初のCOVID‑19流行による外出自粛や行動制限を経験した大学生の主観的健康感と生活リズムへの影響を明らかにしました。

2020年初頭、北海道では大学閉鎖に加えて地域全体で外出自粛が求められ、学生は突然オンライン授業へ移行し、友人との交流や課外活動の機会が失われるなど、生活が大きく変化しました。本研究は、このような強い社会的制約下で大学生の主観的な健康感(Self-Rated-Health: SRH)と健康の基本要素である生活習慣(運動、睡眠、食事)がどのように変化したのかを検討したものです。調査の結果、閉鎖前には半数以上の学生が自分の健康を「良い」と感じていましたが、閉鎖中にはその割合が大きく減少し、「健康ではない」と感じる学生が約3倍に増えていました。生活習慣も大きく乱れ、就寝時刻の遅れ、睡眠の質の低下、運動量の減少、朝食の欠食、夜間の間食増加などが広く見られました。特に、睡眠の質の悪化と運動量の減少が健康状態の悪化と強く関連していました。一方で、同じ閉鎖期にもかかわらず健康が改善した学生も一定数存在し、その改善には睡眠の質の向上や運動習慣の回復が大きく関係していました。これらの結果は、生活リズムの乱れが若者の心身の健康に大きく影響することを示す国内外の研究と一致しており、特に睡眠と運動という基本的な生活習慣と健康の維持・回復が密接に関係していることを示しています。COVID‑19から時間が経過した現在、本研究の知見は、次のパンデミックや災害などで学生の生活が再び大きく乱れる状況に備え、どのような支援が必要かを考えるうえで重要な基盤となります。睡眠の質を保ち、運動習慣を維持することが、危機下の若者の健康を守るうえで最も効果的である可能性が考えられます。大学や自治体が将来の公衆衛生危機に備える際、生活リズムを整える支援や運動機会の確保を優先することが重要です。

なお本研究成果は、2026年9月17日(木)公開のTohoku Journal of Experimental Medicine誌にオンライン掲載されました。

論文名:Associations between Lifestyle Changes and Self-Rated Health among Japanese University Students during the COVID-19 Pandemic: Early Evidence from Hokkaido, Where the First Outbreak Occurred in Japan (COVID‑19流行初期の北海道における大学生の生活習慣変化と主観的健康感の関連)
URL:https://doi.org/10.1620/tjem.2026.J089

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