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人も牛も健康に! 乳酸菌が呼吸器感染症の重症化を抑制~肺胞マクロファージの働きを介してウイルス感染を軽減する可能性を示唆~(獣医学研究院 教授 今内 覚)

2026年10月1日

北海道大学
雪印種苗
株式会社栄養・病理学研究所

ポイント

●乳酸菌HOKKAIDO株がウイルス性呼吸器感染症の重症化を防ぐことを、マウス実験により証明。
●抗ウイルス効果には肺胞マクロファージの働きが関与している可能性を新たに発見。
●乳酸菌HOKKAIDO株が人や子牛の呼吸器感染症にも有効である可能性を示唆。

概要

北海道大学大学院獣医学研究院の今内 覚教授、同大学大学院国際感染症学院博士課程の池端麻里氏、同大学One Healthリサーチセンターの岡川朋弘客員准教授らの研究グループは、乳酸菌HOKKAIDO株(Lactiplantibacillus plantarum HOKKAIDO株)がウイルス性呼吸器感染症の重症化を抑制し、さらにその効果には肺胞マクロファージの働きが関与している可能性を、マウス実験により明らかにしました。

子牛は免疫系が未熟であり、下痢症や呼吸器病などの様々な感染症に罹患しやすく、これらは畜産業に大きな経済的損失をもたらしています。これまでに本研究グループは、乳酸菌HOKKAIDO株が子牛のウイルス性下痢症の臨床症状を軽減することを明らかにし、さらに同株がウシの免疫細胞を活性化して抗ウイルス性サイトカインの産生を誘導することをin vitroで証明してきました。これらの知見から、乳酸菌HOKKAIDO株は子牛において下痢症だけではなく、呼吸器感染症に対しても有効である可能性が示唆されました。

そこで本研究では、乳酸菌HOKKAIDO株がウイルス性呼吸器感染症に対してどのような作用を示すかを明らかにするため、マウス感染モデルを用いて抗ウイルス効果を詳細に解析しました。その結果、乳酸菌HOKKAIDO株を投与したマウスでは、感染後の生存率が向上し、体重減少が抑制されるとともに、肺内ウイルス量が有意に減少していました。また、通常の感染では肺胞マクロファージ数が減少する一方、乳酸菌HOKKAIDO株を投与したマウスではその減少が認められず、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の炎症性サイトカインやケモカイン量も低下していました。さらに、肺胞マクロファージを除去すると乳酸菌HOKKAIDO株による防御効果が失われたことから、同株の抗ウイルス作用には肺胞マクロファージが重要な役割を担うことが示唆されました。

これらの成果は、乳酸菌HOKKAIDO株がウイルス性呼吸器感染症の重症化を防ぐことを示したものであり、ヒトや子牛の呼吸器感染症に対する新たな疾病予防戦略としての応用が期待されます。

なお、本研究成果は2026年9月21日(月)公開のFrontiers in Immunology誌にオンライン掲載されました。

論文名:Lactiplantibacillus plantarum HOKKAIDO strain drives alveolar macrophage-dependent antiviral protection against respiratory infection(乳酸菌Lactiplantibacillus plantarum HOKKAIDO株は、肺胞マクロファージの働きを介して呼吸器感染症に対する抗ウイルス効果を誘導する)

URL:https://doi.org/10.3389/fimmu.2026.1929200

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本研究成果の応用例