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コリスチン耐性大腸菌の病原性を解明~コリスチン耐性の獲得様式によって大腸菌の病原性が大きく異なる~(獣医学研究院 准教授 佐藤豊孝)

2026年10月19日

北海道大学
酪農学園大学
札幌医科大学
大阪公立大学
信州大学

ポイント

●薬剤耐性大腸菌パンデミッククローンST131へのコリスチン耐性獲得に伴う病原性を評価。
●耐性の獲得様式ごとに病原性やコリスチン治療効果が大きく異なることを発見。
●「耐性」の有無だけでなく獲得様式ごとの病原性評価が健康リスク評価に不可欠。

概要

北海道大学大学院獣医学研究院、同大学One Healthリサーチセンターの佐藤豊孝准教授、酪農学園大学の田村 豊名誉教授らの研究グループは、北海道大学総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点、札幌医科大学、大阪公立大学、信州大学等と共同で、多剤耐性菌に対して「最後の切り札」とされる抗菌薬のコリスチンについて、耐性の獲得様式によって大腸菌の病原性や生体内での生存性が大きく異なることを明らかにしました。

薬剤耐性大腸菌の国際的ハイリスククローンST131を共通の遺伝的背景として、代表的な染色体性(pmrAB変異)及びプラスミド性(mcr遺伝子)のコリスチン耐性因子を導入した菌株を作製し、病原性・体内での増殖・コリスチン治療効果を比較しました。その結果、pIncI2_mcr-1プラスミドやpmrA変異では病原性が低下する一方、pIncFII_mcr-5プラスミドやpmrB変異では病原性が保たれ、コリスチン治療効果の減弱を引き起こしました。さらに、pIncI2_mcr-1プラスミド上の新規因子VafA・VafBが、コリスチン耐性とは独立に細菌の増殖と病原性を抑制することを見いだしました。

本成果は、コリスチン耐性菌の健康リスクが「耐性」の有無だけでは正確に把握できず、耐性様式ごとに病原性まで評価することが、正確な健康危害リスク評価に不可欠であることを示しています。

なお、本研究成果は、2026年8月5日(水)公開の国際科学誌「eBioMedicine」にオンライン掲載されました。

論文名:Comparative in vivo evaluation of colistin resistance determinants in Escherichia coli clone ST131(大腸菌クローンST131におけるコリスチン耐性因子の生体内比較評価)
URL:https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2026.106423

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本研究の概要図