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ウミグモは歩く深海のゆりかご?~深海棲ウミグモの体表から未知の扁形動物の卵嚢を発見~(理学研究院 講師 角井敬知)

2026年10月22日

ポイント

●日本海溝の水深3,685-3,893 mから、日本初記録のウミグモの一種を発見。
●ウミグモの体表上からナゾの卵嚢を発見し、未知の扁形動物のものであることを明らかに。
●ウミグモが扁形動物にとって「深海のゆりかご」として機能している可能性を示唆。

概要

北海道大学大学院理学院博士後期課程の関口翔悟氏と同大学大学院理学研究院の角井敬知講師の研究グループは、日本海溝の深海域から、日本未報告のウミグモの一種と、その体表から未知の扁形動物の卵嚢(タマゴを包むカプセル)を発見しました。

ウミグモはクモに似た海棲動物で、沿岸から超深海までの幅広い水深帯の海底に生息しています。今回、2023年に行われた学術研究船「白鳳丸」による深海生物調査により得られたウミグモを詳細に観察した結果、Ascorhynchus mariaeという日本未報告種であることが明らかとなったため、標準和名「ヘビジタトックリウミグモ」を新たに提唱し、形態の記載とDNA配列の決定を行いました。今回の報告は本種の最深記録となりました。また標本観察の過程で、ヘビジタトックリウミグモの体表にくっついている複数のカプセル状の物体が見つかりました。その物体からDNA配列を決定し、分子系統学的解析を行ったところ、Trigonostomidae科の扁形動物の卵嚢であることが判明しました。これはウミグモの体表を産卵場として使う扁形動物の初報告であると同時に、寄生性グループではない扁形動物の数少ない深海域からの記録の一つとなりました。

なお、本研究成果は、2026年10月16日(金)にSPIXIANA誌にてオンライン掲載されました。

論文名:Abyssal cradle: flatworm egg capsules on a deep-sea sea spider, with an integrative redescription of Ascorhynchus mariae Turpaeva, 1971(深海のゆりかご:深海性ウミグモから得られた扁形動物の卵嚢、及びAscorhynchus mariae Turpaeva, 1971の統合的再記載)
URL: https://pfeil-verlag.de/wp-content/uploads/2026/10/spx49-1_02_se.pdf

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ヘビジタトックリウミグモ(左)にくっつく扁形動物の卵嚢(右)