2026年8月18日
ポイント
●眼鏡の鼻パッドに超高感度歪みセンサを搭載することで無意識下での呼吸情報計測が可能に。
●呼吸情報から診断に重要な三大バイタル(心拍数、最高・最小血圧)の変動計測を実現。
●災害地でのトリアージを含む遠隔診断や遠隔見守りへの応用に期待。
概要
北海道大学大学院情報科学研究院の竹井邦晴教授、イ・ドフン博士研究員、同大学大学院情報科学院博士後期課程の清宮徳人氏の研究グループは、健康状態の把握に重要な五大バイタルサインのうち、「呼吸」「心拍変動」「血圧変動」の三項目を、ほぼ無意識の状態で常時・連続計測できるスマートグラス(ウェアラブルセンサデバイス)を開発しました。本研究では、超高感度なフレキシブル歪みセンサを新たに開発し、眼鏡の鼻パッドに搭載することで、呼吸に伴って生じる鼻表面の目では捉えられない微小な変形を高精度に検出し、呼吸情報を抽出することに成功しました。さらに、被験者がこのスマートグラスを装着するだけで、呼吸数や呼吸の深さを安定して連続計測し、その情報を基に心拍数及び血圧(収縮期・拡張期)の変動を常時モニタリングできるシステムを初めて実現しました。本システムは、複雑な機械学習を用いることなく、呼吸情報と循環器情報の相関関係を利用した重回帰解析によって心拍数や血圧変動を推定するため、計算不可が小さく、低消費電力で動作することが大きな特徴です。
診断に重要な三つのバイタルサインを、眼鏡をかけるだけで常時計測できる本技術は、高齢化社会における見守りや独居高齢者の健康管理、医療資源の地域格差の解消、さらに災害現場でのトリアージなど、遠隔医療・遠隔モニタリングを支える基盤技術として大きく貢献することが期待できます。
なお、本研究成果は、2026年8月14日(金)公開のDevice誌にオンライン掲載されました。
論文名:Eyeglass-type continuous monitoring of respiration and cardiovascular trends using ultrahigh-sensitivity strain sensors(超高感度歪みセンサを用いた眼鏡型呼吸・心血管系変動の連続モニタリング)
URL:https://doi.org/10.1016/j.device.2026.101273
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