ユニバーシティ
プロフェッサー

世界的に極めて顕著な教育研究業績を挙げた研究者のうち、長期にわたり北海道大学の教育研究の進展に寄与すると認められた者に総長から付与される称号。2015年にノーベル化学賞受賞者の鈴木章名誉教授、2016年に人獣共通感染症国際共同研究所の喜田宏 特別招聘教授・統括、2022年に化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)のベンジャミン・リスト特任教授が授与されています。

鈴木章ユニバーシティプロフェッサー/名誉教授

鈴木章ユニバーシティプロフェッサー

2019年12月撮影

理学博士。北海道大学理学部卒業。同大学大学院理学研究科博士課程修了。1959年に北海道大学理学部助手、その後同大学工学部助教授を経て、1973年に同大学工学部教授に就任。1994年に北海道大学を退官後も、国内外での講演活動を精力的に行っている。

パラジウム触媒と塩基を用いた、有機物同士を結合させるための化学反応「鈴木クロスカップリング」(1979年)の研究で、2010年にノーベル化学賞を受賞。「鈴木カップリング」は、医薬や農薬、IT機器に不可欠な液晶、有機ELなど、私たちの生活に身近な製品の開発や量産化に大きな貢献を果たしている。

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喜田 宏ユニバーシティプロフェッサー
/名誉教授/人獣共通感染症国際共同研究所 特別招聘教授 統括

喜田 宏ユニバーシティプロフェッサー

2019年11月撮影

獣医学博士。北海道大学獣医学部卒業。同大学大学院獣医学研究科修士課程修了。1976年に北海道大学獣医学部講師。同助教授、同教授、同大学院獣医学研究科長・学部長などを歴任。人獣共通感染症の研究・教育を抜本的に強化するため,「北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター(2021年人獣共通感染症国際共同研究所に改組)」の創設に尽力し,2005年に初代センター長に就任。

専門はウイルス学、微生物生態学、人獣共通感染症学。2005年、「インフルエンザ制圧のための基礎的研究-家禽、家畜およびヒトの新型インフルエンザウイルスの出現機構の解明と抗体によるウイルス感染性中和の分子的基盤の確立-」の業績に対し、日本学士院賞を受賞。また、優れた学術上の業績に加え,多くの研究開発プロジェクトのリーダーとして,研究・教育を指揮・統括している。2007年、学術貢献に対して日本学士院会員に選定された。2017年、教育・研究と学術振興の発展に寄与した功績に対し、瑞宝重光章が授与された。同年、「ウイルス学及び国際貢献」の功績により、文化功労者に選定された。

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ベンジャミン・リスト ユニバーシティプロフェッサー/ICReDD 特任教授

ベンジャミン・リスト ユニバーシティプロフェッサー

2022年9月撮影

1968年1月11日、独フランクフルト生まれ。
ベルリン自由大学卒。1997年にフランクフルト大学で博士号を取得後、米スクリプス研究所での博士研究員、助教を経て、2003年よりマックス・プランク石炭研究所に所属(2012年からは所長)。2004年より独ケルン大学、2018年より北海道大学にも在籍。ニュスライン・フォルハルト博士(1995年ノーベル生理学・医学賞受賞)を叔母にもつ。

従来の有機合成反応で使用されていた金属触媒や酵素以外の触媒として、アミノ酸の不斉有機触媒を発見し(2000年、米スクリプス研究所在籍時に報告)、2021年ノーベル化学賞を受賞。環境負荷も低減でき、安価な不斉有機触媒は、医薬品や幅広い工業製品の製造・開発に貢献している。

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2021年ノーベル化学賞受賞者ベンジャミン・リスト博士の姿に見る豊かな発見に出会うヒント