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アイヌ シサㇺ ウレㇱパ ウコピㇼカレ ウシ/アイヌ共生推進本部

アイヌ共生推進本部は、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するため、本学における施策を企画立案し、学内外のアイヌ民族とその他の本学構成員の共生を実現するために令和4年4月に設置されました。

アイヌ語の専門家にご協力いただき、大学本部の運営組織としては初めて、「アイヌ シサㇺ ウレㇱパ ウコピㇼカレ ウシ」というアイヌ語の組織名を掲げています。これには、「アイヌ民族と、和人を含めたあらゆる出自の本学構成員が、互いに育て、ともに良くしていくところ」という意味を込めています。

現在、本部では、アイヌ民族にルーツを持つ学生・教職員が安心して過ごせる環境の整備や、学生・教職員によるアイヌ民族への理解の深化などにむけた具体的な検討を行っているところです。また、国の方針に従い、本学で保管しておりますアイヌの方々の御遺骨・副葬品の返還を進めております。

近年、「アイヌ施策推進法」が制定されるなど、国もアイヌ政策を進めていますが、本学としても、大学ならではの取り組みを進めて参ります。

本部の取り組み

  • 学生への教育   
    学部1年次の全学教育科目(必修)に参画し、アイヌ民族と本学との歴史的経緯や民族多様性の尊重に関する授業を企画・実施しています。また、令和6年度からは大学院共通授業科目にも参画予定であり、学部・大学院の垣根を越えて、本学に入学するすべての学生がアイヌ民族に関する知見を深められるように取り組んでいます。

  • 教職員への研修   
    令和元年度から毎年、アイヌ民族に関する教職員の理解を深めるための研修を実施しています。令和3年度以降は、非常勤職員も含めた全教職員に対象者を拡大しました。本学にはアイヌ民族にルーツを持つ学生・教職員が所属しており、教職員全体がアイヌ民族に関する理解を深めることで、これらの学生・教職員が安心して勉学や教育研究に専念できる環境の整備につながると考えています。過去の研修動画はこちらからご覧頂けます(学内限定)。

  • 文化振興   
    キャンパス内でアイヌ文化に親しむ機会が確保されていることは、アイヌ民族にルーツを持つ学内構成員にとっては安心な環境の確保につながり、またそれ以外の構成員にとっても先住民族文化や本学の多様性への理解がより深まることが期待されます。アイヌ文化には、アイヌ語、生活様式、口承、工芸、アート作品、音楽、舞踊、料理、埋蔵文化財、伝統儀礼、アイヌ社会において展開したその他の文化や今後展開していく文化など、幅広いものが含まれます。本部では、構内循環バス内アナウンスへのアイヌ語の導入(停留所名等はこちら)キャンパスガイドマップにおける施設名のアイヌ語併記、北海道大学生活協同組合の食堂におけるアイヌ料理フェアの開催など、一つずつ取り組みを進めています。

  • 歴史的経緯の語り継ぎ   
    2019年の笠原正典総長職務代理(当時)による声明では、本学が収集・保管したアイヌ民族の御遺骨・副葬品の集約・返還が完了したのちも慰霊を行うとともに、アイヌ民族と本学との歴史的経緯を後世に語り継ぐため、慰霊碑を建立すると述べています。民族の尊厳に対する適切な配慮を欠いてきた経緯があったことを複眼的に理解し、共有していくことを目指し、歴史的経緯を継続的に語り継ぐための場を創出する取り組みを進めて参ります。

アイヌ民族と本学に関する声明

中村睦男 元総長による声明(2005年)
笠原正典 元総長職務代理による声明(2019年)

差別や偏見のないキャンパスの実現

 本学は、「北海道大学ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言(令和312月制定)」において、人種や言語、民族等に関わらずすべての構成員の尊厳を守り、バイアスフリーキャンパスの実現に向けた意識改革や環境整備を進めることを謳っています。また、令和5年1月に総長は、先住民族であるアイヌをはじめとする民族的マイノリティに関する不適切な発言や排外主義的な発言がなされることのないように対応することを表明しています。
 本学ではこれまでも、そして現在も、アイヌを含む様々な民族的な背景を持つ学生や教職員が勉学や研究、職務に励んでいます。また、アイヌ民族にルーツを持つご家族がいらっしゃる本学構成員もいます。こうした学生・教職員が、差別や偏見にあうことなく安心して活動できる環境は、その他の構成員にとっても快適であり、そのような環境の整備は本学の重要な責務です。

 平成28年に行われたアイヌ民族を対象とした差別及び偏見に関する全国調査(「国民のアイヌに対する理解度についての意識調査」内閣官房アイヌ総合政策室)では、アイヌにルーツを持つ回答者の7割が、「現在は差別や偏見があると思う」と回答しています。差別や偏見のないキャンパスを実現するためには、本学の構成員ひとりひとりがアイヌ民族に対する偏見、先入観、ステレオタイプを認識し、差別や敵対的環境を生み出さないように行動することが大切です。
 本部では、民族的属性を理由とする差別的言動であるレイシャル・ハラスメント、特にアイヌ民族に対する差別的言動を防止するための情報をまとめましたので、こちらの資料をご覧ください。この資料は、本学におけるレイシャル・ハラスメントの発生を防止するため、すべての本学構成員の「気づき」を促すことを目的としています。また、資料をもとにレイシャル・ハラスメントの防止啓発リーフレットを作成し、大学構成員や関係者がこうした情報にアクセスしやすい環境整備に努めています。

身元が特定された御遺骨の返還に係る手続き

こちらをご覧ください。

リンク

アイヌ・先住民研究センター
ダイバーシティ・インクルージョン推進本部

連絡先

urespa-ukopirikare[atgeneral.hokudai.ac.jp
([at]の部分を@に変えてお送りください)