10月11日(金)、函館中部高校にて3名の講師が出張講義を実施しました。講義を受講した生徒、および教員のみなさまから、講義レポートが届きましたのでご紹介します。
「ワクチンはなぜ効くのか? - 病原体を記憶する免疫の仕組み -」ワクチン研究開発拠点 特任准教授 高田健介
参加生徒:1・2年生 1回目 36名/2回目 35名
講義では、ワクチンがどのような仕組みで体を守っているのかという基本原理について説明していただきました。免疫系が病原体を認識し、記憶する仕組み(免疫記憶)を解説していただき、ワクチンに対する理解を深めることができました。また、第一線の研究や、次なるパンデミックに向けた北大の取り組みなども紹介していただきました。生徒からは「この数年、ワクチンに関する様々な憶測がSNS上で広がり、どの情報が正確なのか判断が難しいと感じていましたが、科学的根拠をふまえて自分なりに考えることの大切さや、常に疑問を持ち学ぶことの必要性を感じました」「課題解決のためには正しい現状認識が必要であると知り、今後の探究活動に活かしていきたいと思いました」などの感想が寄せられました。
「心の哲学とAI」文学研究院 准教授 宮園健吾
参加生徒:1・2年生 1回目 36名/2回目 33名
講義では、まだ誰もわかっていない「心を持つ」ということに関する、心の哲学の基本的な考え方を紹介していただきながら、AI(人工知能)が心を持つ可能性について解説していただきました。受講者からは、「AIの心について、人間がもつような脳神経をもつと考えてはいけないことや、その理由として挙げられた『脳の可塑性』のお話がとても興味深かったです」、「心理学の考察について難しさを感じていましたが、今回の講義のように論理的に物事を考えることがあるのだと知り、面白さを感じました」と振り返っていました。
「超音波で「観る」固体中の電子」理学研究院 教授 柳澤達也
参加生徒:1・2年生 1回目 36名/2回目 36名
物理学は日常生活の中でありとあらゆる場面に関連しています。講義の前半では、そんな物理学を早押しクイズを使用して学んだり、スピーカーを使ってヒトの可聴域の最高値に近い周波数の「モスキート音」を出したり、超音波センサーとデジタルオシロスコープを用いた実験を行うなどしました。後半では、様々な場面で応用されている超音波技術の例に触れたり、柳澤先生の最近の研究テーマである「極低温で柔らかくなるダイヤモンド」についての研究について学びました。生徒からは「物理学の凄さを体感することができました」、「早押しクイズなどを通して楽しく物理学を学ぶことができました」などの感想が寄せられ、生徒たちにとって物理学を身近に感じられる時間となりました。
日 時:2024年10月11日(金)
1回目:13:00ー14:05
2回目:14:15ー15:20
会 場: 北海道函館中部高等学校
(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)
アカデミックファンタジスタとは?
北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に29名の教員が講義を実施しています。2024年度の参加教員はこちら。
本サイトだけではなく、学内向け広報誌「北大時報」やFacebookでも講義レポートを随時更新していきます。合わせてぜひご覧ください。
Facebook
北大時報