アイヌ・先住民研究センター 加藤博文教授が発掘調査中の遺跡をモデルにした人形劇が上演されます

アイヌ・先住民研究センター 加藤博文教授を代表とする研究者たちが、北海道 稚内市より西方60キロメートルに位置する日本最北の離島、礼文島「浜中2遺跡」で2011年から「国際フィールドスクール」を開催し、発掘調査を行っています。

「浜中2遺跡」は、縄文文化晩期から近世アイヌ文化期まで約4千年間にわたる人々の暮らしが3mの厚さの地層の中にとじ込まれており、連続的に観察できる世界的にみても非常に珍しい遺跡です。また冷涼な気候と破砕された貝のかけらを含むカルシウム分に富んだ砂の地層のおかげで有機質の遺物が腐食しづらく、土器や石器と一緒に見つかる魚や家畜動物の骨などから太古の人々の食生活も復元することが可能となっています。2017年には、狩猟具と共に埋葬されたオホーツク文化期の成人女性の墓も発掘され、調査が進んでいます。

フェリーから望む礼文島 フェリーから望む礼文島

あわびの貝塚を発掘中 あわびの貝塚を発掘中

浜中2遺跡での発掘調査の様子 浜中2遺跡での発掘調査の様子

この遺跡をモデルにした人形劇「奇跡の庭~じかん島のひみつ~」が、2月23日(土)、24日(日)に「こぐま座」で、初演を迎えることになりました。
作・演出・美術を手掛けたのは、世界で活躍するチェコ在住の人形劇師 沢 則行さんで、文化庁の支援により、本学が実施している学芸員リカレント教育プログラムでも講師を務めていただきました。沢さんはフィールドスクールメンバーの一員として毎年「浜中2遺跡」を訪れ、世界各国の学生達に「想像と創造」を体感するワークショップを実施しています。沢さんが「奇跡の庭」と称する礼文島の遺跡の魅力を皆さんもぜひお楽しみください。

遺跡をモデルにした人形

やまびこ座・こぐま座プロデュース人形劇
北海道の創作人形劇Part1
『奇跡の庭~じかん島のひみつ ~Excavators Of Time Island vol.1』

 日本最北端に浮かぶ奇跡の島、礼文島。そこに秘められた歴史をもとに新しいファンタジーが始まります。 今日もその島では考古学者が首をひねる・・・掘れば掘るほど古代の土器や土偶、動物や人の骨までザクザク出てきちゃう...不思議な庭...現れ、途切れてはまた現れる宝物のような地層には、どんな物語が隠されているのか?アイヌの伝説からオホーツクの海へ、さらに遠く縄文時代へとつながるタイムスペクタクル!

[日時] 平成31年2月23日(土)14時/19時
              24日(日)11時/14時

[会場] 札幌市こども人形劇場 こぐま座(中央区中島公園1番1号)

[料金] 5歳以上800円(前売600円)
     18歳以上1,200円(前売1,000円)
     親子ペア券1,300円(前売のみ)
     ※ウェブ予約受付中!

ウェブ予約はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/
1FAIpQLScK0UTPRjZzHmDD4mpwL2H9zE3Qo9WbYgu7jidkkJN6jriuaw/viewform

詳細はこぐま座のウェブサイトへ
http://www.syaa.jp/sisetu/gekijou/kogumaza/schedule/pg325.html

関連記事:
沢 則行さんの礼文島でのワークショップ
https://terrace.cris.hokudai.ac.jp/790

「OKHOTSK-終わりの楽園-」上演と加藤教授と沢さんのアフタートーク
https://terrace.cris.hokudai.ac.jp/832

国際フィールドスクールのウェブサイト
https://nt.cais.hokudai.ac.jp/jp/