青木隊長率いる第61次南極地域観測隊 夏隊、昭和基地から日本へ向けて出航

本学低温科学研究所の青木茂准教授が隊長を務める第61次南極地域観測隊(夏隊・越冬隊)は、昨年の2019年12月30日に砕氷船「しらせ」からヘリコプターで昭和基地に上陸しました。大晦日と元旦をしらせで過ごした後、北大の隊員たちはしらせと昭和基地を行き来しながら、他チームの観測のサポートなどを行いました。1月中旬に、昭和基地の過酷なネット環境のなか青木准教授から送られてきたメールには、「1月2日の夜には、2018年12月から南極に滞在している第60次越冬隊が歓迎会をひらいてくれ、心づくしの料理を楽しみました。忙しい中ですが、節目やお祭りでアクセントをつけています。これから中盤戦に入りますが、またがんばります」と書かれていました。

昭和基地に接岸したしらせで、笑顔を見せる北大の隊員たち。左から、小野数也技術専門職員、 山崎開平さん、中山佳洋助教、ウォンパーン・パット研究員、青木准教授<写真提供:小野技術専門職員> 昭和基地に接岸したしらせで、笑顔を見せる北大の隊員たち。
左から、小野数也技術専門職員、 山崎開平さん、中山佳洋助教、ウォンパーン・パット研究員、青木准教授
<写真提供:小野技術専門職員>

2020年2月1日から4日にかけて、第60次越冬隊と、北大隊員たちの所属する第61次夏隊は、ヘリコプターで順次しらせへ乗り込み、昭和基地をあとにしました。北大チームは、昭和基地への往復路でのトッテン海域の観測をミッションとしているため、ここからが最後の踏ん張りどころです。氷河の流出が速いトッテン海域で、海底地形や海水温度などが数年にわたりどう変化していくのかを観測します。一行は、3月22日にシドニーでしらせを下船し、同日中に空路で成田空港に到着予定です。南極の海と氷の関係解明をめざした観測はもうしばらく続きます。

(総務企画部広報課 学術国際広報担当 菊池優)