鈴木章氏と現役研究者たちが語り合う 北海道大学の可能性

ユニバーシティプロフェッサー/名誉教授 鈴木 章

9月12日は、本学のノーベル化学賞受賞者、鈴木 章 ユニバーシティプロフェッサー/名誉教授の誕生日です。鈴木先生は、1930年に北海道鵡川町で生まれました。91歳の誕生日を記念して、2019年12月に実施した、鈴木先生と現役研究者たちとの対談の様子を映像で配信します。

鈴木章氏と現役研究者たちが語り合う 北海道大学の可能性

対談に参加したのは、伊藤 肇 教授(工学研究院/化学反応創成研究拠点)、ラフェイ・ミシェル 准教授(文学研究院)、高岡晃教 教授(遺伝子病制御研究所)、黒岩麻里 教授(理学研究院)の4名。鈴木先生からノーベル化学賞受賞が決まったときの心境や、研究者を志した経緯を伺った後、本学の課題、目指す未来について意見交換をしました。

対談の様子 対談の様子(左から黒岩教授、高岡教授、鈴木名誉教授、ラフェイ准教授、伊藤教授)

「北大の学生には、人の真似をするのではなく、オリジナリティのある研究をやって欲しい」と語った鈴木先生。「新しいことを見つけようと思ったら、まずは既存のことを分かっていないと。勉強して技術を得て、そしてそれを発展させる。別の分野で使われている技術を取り入れて融合研究をすることで、新しいものがひらけていく可能性もある。だからこそ、学生はいろいろな勉強をしないといけないし、研究者は研究をしっかりやって、その研究を通じた教育を浸透させてほしい」と力を込めました。

ロンティア応用科学研究棟にて 鈴木先生のノーベル化学賞受賞を記念して建てられた、フロンティア応用科学研究棟にて

(総務企画部広報課 学術国際広報担当 菊池 優)

鈴木章氏と現役研究者たちが語り合う 北海道大学の可能性

[出演]
ユニバーシティプロフェッサー/名誉教授 鈴木 章
工学研究院/化学反応創成研究拠点 教授 伊藤 肇
文学研究院 准教授 ラフェイ・ミシェル
遺伝子病制御研究所 教授 高岡晃教
理学研究院 教授 黒岩麻里

[企画・制作]
株式会社スペースタイム(撮影・編集)
総務企画部広報課 学術国際広報担当 川本真奈美  菊池 優(ディレクター)


鈴木先生とノーベル化学賞

鈴木先生は「鈴木-宮浦カップリング」の研究で、2010年にノーベル化学賞を受賞しました。2種類の異なる化合物同士をつなぎ合わせ、新たな有機化合物を創り出すクロスカップリング反応。「鈴木-宮浦カップリング」により、専門家の熟達した技術と特別な実験環境が必要だったクロスカップリング反応が手軽に扱え、大規模な製造プラントでの量産にも応用が可能となりました。この反応は医薬や農薬、液晶、有機EL材料などの開発に大きな貢献を果たしています。