Fビレッジで「食と農業の未来を考える」ワークショップ開催

工学研究院 教授 石井 一英

〈写真〉工学研究院 石井 一英 教授(広報課 広報・渉外担当 長尾 美歩)

北海道ボールパークFビレッジで、「KUBOTA presents AGRI WEEK in F VILLAGE !」が開催中です(9月1日(金)~10日(日)、主催:株式会社クボタ)。初日の9月1日は、本学工学研究院 教授の石井一英さんを講師として「『食べるを学ぶ』ワークショップ『食と農業の未来を考える』」がKUBOTA AGRI FRONT(クボタ アグリ フロント)で開催されました。北海道大学は2021年10月に株式会社クボタ、株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントと三者連携協定を締結し、Fビレッジ内のKUBOTA AGRI FRONTでの活動を中心に「農業の未来ビジョン」の発信に取り組んでいます。

環境工学が専門の石井さんは、廃棄物管理や、循環計画、バイオマスリサイクルなどの研究に取り組み、本学のロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点の代表も務めています。ワークショップでは、食と農林水産業の現状や、資源循環や環境など地球規模の課題との関わりについて、様々なデータをもとに解説しました。「人口が増えたことによって、地球のバランスが崩れてきている」と、石井さんは警鐘を鳴らします。

食と農業と地球環境の関わりについて解説する石井教授(撮影:長尾 美歩)食と農業と地球環境の関わりについて解説する石井教授(撮影:長尾 美歩)

参加者は、5-6名ずつのグループになり、ワークに取り組みました。1つ目のワークでは、普段の1日の食事を円グラフにし、野菜・肉・穀物などの割合をワークシートに書き込みました。その後、石井さんが世界の「現状の摂取量」と、「環境と健康に優しい食」を比較した図を示しながら肉や卵類などを取りすぎていることを解説。2つ目のワークでは、その話をふまえて、それぞれが考える未来の食事についてワークシートに書き込みました。参加者たちは時折、周りの人達とワークシートを見せ合いながら相談し、終始和やかな雰囲気でした。石井さんは最後に、「地球環境や資源、エネルギーのことを考えながら、食を楽しんで欲しい。まずは自分たちでできるところから始めていきましょう」と、締めくくりました。

ワークに取り組む参加者(撮影:長尾 美歩)ワークに取り組む参加者(撮影:長尾 美歩)
会場の様子(撮影:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 川本 真奈美)会場の様子(撮影:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 川本 真奈美)

夏休みの帰省を利用してワークショップに参加した道外の高等専門学校(高専)に通う角田ありすさんは、「今の農業は高齢化が進んでいて、自分たちの世代が農業を担わなければと考えたときに、いろいろな課題があると思うので、その課題を解決するきっかけを見い出せたらと思って参加しました。円グラフを見て、このまま肉をたくさん食べる生活を続けていくと、これからの地球環境に影響が出てしまうかもしれないことを改めて実感しました。食生活など自分たちの身近なところから解決できる課題もあると知り、そういったことを考えるきっかけになりました」と、感想を語りました。普段は情報通信や工学を学んでいるという角田さん、このワークショップで工学と農業のつながりも感じることができたそうです。

石井一英 教授(左)と角田ありすさん(右)(撮影:長尾 美歩)石井一英 教授(左)と角田ありすさん(右)(撮影:長尾 美歩)
終了後は、参加者全員で記念撮影(撮影:川本 真奈美)終了後は、参加者全員で記念撮影(撮影:川本 真奈美)

「KUBOTA presents AGRI WEEK in F VILLAGE !」では、この他にも食や農業にまつわるイベントが満載です。9月2日(日)には、農学研究院 教授の石塚敏さんと准教授の比良徹さんの「食べるを学ぶ」ワークショップ「かめばかむほど旨くなる-ごはんの美味しさ-」も行われました。9月9日(土)、10日(日)の「風と大地のマルシェ」には北海道大学ブースが出店。余市果樹園で収穫されたりんごやハスカップを使用したスイーツなどが販売されます。また10日(日)は北海道大学ブルーグラス研究会の演奏が会場を盛り上げます。詳細はこちらの特設サイトをご覧ください。この機会にぜひ、楽しみながら食と農業に触れてはいかがでしょうか。

会場となったKUBOTA AGRI FRONT会場となったKUBOTA AGRI FRONT

【広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 川本 真奈美】