在日インド人科学者協会 (ISAJ)が第14回シンポジウムを北海道大学で開催

<写真>議長を務めた電子科学研究所 P. K. ハシム助教

2023年11月10日、NPO法人在日インド人科学者協会(ISAJ)の第14回シンポジウムが「持続可能な社会のための統合科学」をテーマに北海道大学で開催されました。複数のセッションで構成されたこのシンポジウムは、科学技術における幅広い分野を網羅しており、終日かけておこなわれました。日本にいる学生や若手研究者が自らの研究を発表して意見交換をおこない、共同研究を促進する機会を提供することを目的としています。

"第14回ISAJシンポジウムの出席者たち(撮影:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 Sohail Keegan Pinto)第14回ISAJシンポジウムの出席者たち(撮影:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 Sohail Keegan Pinto)

オープニングセッションは、議長を務めた北海道大学電子科学研究所 助教のP. K. ハシムさんによる挨拶で開幕。ISAJ会長で産業技術総合研究所のスニル・カウルさんが歓迎の意を伝え、ISAJの歴史について話しました。また、シビ・ジョージ駐日インド大使がビデオメッセージで開会の挨拶を行い、そのなかで大使は、日印外交関係の歴史について、最近の科学研究におけるパートナーシップに焦点を当てながら説明しました。髙橋彩北海道大学理事・副学長と電子科学研究所長の居城 邦治さんは、北海道大学と電子科学研究所がインドの研究者と長年にわたって関係を築いてきたと話し、最後は、ISAJ副会長である国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)のアロク・シンさんによる閉会の辞でオープニングセッションは終わりました。

シビ・ジョージ駐日インド大使にによる開会挨拶シビ・ジョージ駐日インド大使にによる開会挨拶

オープニング後の最初のセッションでは、20年以上に渡り、多くのインド人学生を指導してきたことが評価された北海道大学 玉置信之教授にISAJメンターシップ賞が授与されました。

玉置信之さん(右)にISAJメンターシップ賞を授与するアロク・シンさん(左)とスニル・カウルさん(中央)(撮影: Sohail Keegan Pinto)玉置信之さん(右)にISAJメンターシップ賞を授与するアロク・シンさん(左)とスニル・カウルさん(中央)(撮影: Sohail Keegan Pinto)

シンポジウムは4つのセッションからなり、それぞれに基調講演と招待講演がありました。招待講演者はまだキャリアの浅い若手研究者が約半数を占めました。また、シンポジウムに参加した学生を対象に、日本の研究分野におけるキャリア形成をテーマにしたランチョンセミナーが開催されたほか、ポスター展示も行われ、シンポジウムの終盤には特に優秀なポスターを展示した3名の受賞者が発表されました。

ポスター展示の様子(撮影: Sohail Keegan Pinto)ポスター展示の様子(撮影: Sohail Keegan Pinto)

会の最後は、共同議長である電子科学研究所助教のアビジット・シュロトリさんが、今回のシンポジウムが素晴らしいものであったと称えたうえで、主催者や参加者らに次回のシンポジウムの計画を伝え、幕を閉じました。

ハシムさんは、今回のシンポジウムを振り返りながら、「2010年、北海道大学の博士課程に在籍していた2年目に、東京で開催された第1回ISAJシンポジウムに参加しました。それ以来、北大生が身近な場所でシンポジウムに参加できるよう札幌で開催したいと思っていました。ISAJ北海道支部が主催した今回のシンポジウムは、北海道大学、電子科学研究所、在日インド大使館の強力なサポートがあり実現できました」と話しました。

この記事の原文は英文です(Indian Scientists Association in Japan 14th Annual Symposium held at Hokkaido University

【再編:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 長谷川 亜裕美】