【Academic Fantasista 2023】立命館慶祥中学校にて出張講義を実施

「人と自然の共生を考える」北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーション・苫小牧研究林 教授 中村誠宏

中村さんは、群集生態学を専門にしており、気候変動や生物多様性の損失が、植物と昆虫の関係にどのような影響を与えるかを研究しています。講義では、まず北大にある7つの研究林とそこで行っている生態学の野外研究方法について説明。続いて、温暖化が植物を介して昆虫に与える影響を調べた実験として、ミズナラとダケカンバの事例を紹介しました。ミズナラが、温暖化の影響下では昆虫に食べられずらくなるよう、葉の形質を変えるのに対し、ダケカンバは食害度が上がってしまうといい、この実験結果から、人間がミズナラを伐採してダケカンバを植えると温暖化の影響を受けやすい森林になると解説しました。中村さんは、「保全」と「利用」の両方をバランスよく行うことで、生態系サービス、つまり自然の恵みを受けられる環境を維持することが大切だと話し、この恵みを利用して社会課題の解決を考えてみてほしいと生徒たちに呼びかけました。

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<p><span style=生徒からは「木の遺伝的多様性が増えていくにつれて、昆虫からの食害率が上がるという話がとても興味深く、面白かった」「間伐や、動植物がどのように森に関わっているのかがわかり、興味深かった」「自然の恵みを活用してこれからどのように活かしていけるのか、考えるきっかけとなった」など、好奇心を強く刺激された様子でした。

日時:2023年11月27日(月)16:00-17:00
会場:立命館慶祥中学校
参加生徒:1-3年生 30名

(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)

アカデミックファンタジスタとは?

北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に31名の教員が講義を実施しています。2023年度の参加教員はこちら

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