【Academic Fantasista 2023】札幌創成高校で2名の研究者が出張講義を実施

「いま学ぶアイヌ民族の歴史:先住民研究で世界をつなぐ」アイヌ・先住民研究センター 教授 加藤博文

先住民考古学が専門の加藤さんは、北海道の先住民族であるアイヌの人々の歴史について話しました。アイヌ民族のように国家を持たない社会は世界中にあり、世界文化遺産の多くが先住民族に関わっていると解説しました。また、礼文島には毎年、土器や遺跡の調査に世界中から多くの研究者が集まるといい、北海道は歴史の多様性を考える上で重要なフィールドだと話しました。「これまでの常識を問い直し、歴史の埋まっていないピースを埋めるのが大学の勉強です」と研究の魅力を語りました。

考古学について解説する加藤教授考古学について解説する加藤教授

講義を受けた生徒からは「北海道独自の歴史があることに驚いた」、「実際に土器に触れる貴重な経験をした」などの声のほかに、「疑問や問題に対して様々な観点からアプローチすることが大事だと知った」など、考古学という学問に強く興味をひかれた様子でした。

日時:2024年2月7日(水)10:50-11:35
会場:札幌創成高等学校
参加生徒:2年生 38名

「新薬開発で動物も病気から救える時代に」獣医学研究院 教授 今内覚

動物の感染症やがんに効く新薬の研究をしている今内さんは、北大獣医学部の特色や、獣医師という仕事の幅広さについて話しました。獣医師はペットだけでなく野生動物や家畜とも関わりがあることや、動物の病気の理解は人の医学にも役立つことを解説しました。また、人のがん治療に使う「免疫チェックポイント阻害剤」が、犬のがん治療にも有効であることを確かめたという自身の研究も紹介しました。

海外での活動を紹介する今内教授海外での活動を紹介する今内教授

講義を受けた生徒は、獣医師の幅広い仕事に驚いたり、大学や海外での研究活動に強く関心を示している様子でした。

2024年2月21日(水)10:40-11:20
会場:札幌創成高等学校
参加生徒:2年生 29名

(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)

アカデミックファンタジスタとは?

北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に31名の教員が講義を実施しています。2023年度の参加教員はこちら

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