【ACADEMIC FANTASISTA 2025】釧路湖陵高校にて2名の研究者が出張講義を実施

12月5日(金)、釧路湖陵高校にて、2名の研究者が出張講義を実施しました。高校から当日の講義レポートが届きましたのでご紹介します。

「新薬開発で動物も病気から救える時代に」獣医学研究院 教授 今内 覚

動物の免疫を研究している今内先生は、現在、動物のがんを治療するための治療薬の開発に力を注いでいると話されました。がん細胞を直接攻撃する役割があるT細胞のPD-1と、がん細胞のPD-L1がくっつくとT細胞は機能しなくなります。そこで、その働きを抑制する「がん免疫治療」を、動物のがん治療に利用していると解説されました。これにより、ステージⅣ(末期がん)のがんを発症したイヌやがんの再発を治療することができるようになったとお話しされました。人間、動物、環境の健康が密接につながっているというワンヘルスという概念の一環として、ズービキティという「獣医学から生まれる医学への貢献」という言葉が強く印象に残った講義でした。参加した生徒からは、「ひとつの研究が人・動物・生態系に同時に波及される。つながって役立っていくのは、責任が大きくなると思うけれど、夢のある話だと思った。動物も、もっと救えるようになってほしいと思った」との感想が寄せられました。

スライドを使用してがんについて解説する今内教授スライドを使用してがんについて解説する今内教授

「半導体の微細加工とプラズマ技術」 工学研究院 准教授 富田健太郎

富田先生は、スマートフォンやパソコン、自動車、家電製品などの電子機器に使われている、トランジスタという半導体素子について解説されました。半導体を生産するには超微細加工や薄膜形成を行う技術が必要であり、富田先生は日本の技術を飛躍させるために、加工の際に使用するプラズマについて研究しているとお話しされました。参加した生徒からは「スマートフォンやパソコンの中身について今まで考えたことがなかったが、それらに半導体が使用されていると知った。プラズマが物質の第4状態と言えること、オーロラや太陽もそれに当てはまることなど、認識を改められてよかったと思った。自分であまり触れたことのない分野に触れて、視野を広げるよい機会となった」との感想が聞かれました。

プラズマボールを手に解説する富田准教授プラズマボールを手に解説する富田准教授

日時:2025年12月5日(金)13:20-15:10
会場:釧路湖陵高等学校
参加生徒:1年生 各195名

(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)

アカデミックファンタジスタとは?

北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(ACADEMIC FANTASISTA)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に31名の教員が講義を実施しています。2025年度の参加教員はこちら

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