<写真>ICReDD棟のスマートラボ(撮影:photographer 鬼原雄太)
北キャンパスエリアに、化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD、以下:ICReDD)の研究棟が新たに完成し、6月16日に新棟落成記念式典が開催されました。ICReDDは、文部科学省による世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の一環として2018年10月に設立しましたが、このたび約4年半の歳月を経て、独立した研究施設としてICReDD棟(北キャンパス総合研究棟8号館)が誕生しました。式典には、政府、企業、本学、報道機関などから多数が出席し、本学の寳金清博 総長、文部科学省の奥野 真大臣官房審議官、日本学術振興会の宇川 彰 WPIプログラムディレクターがそれぞれ挨拶しました。


地上4階建て、5,500㎡のICReDD棟は、サステイナビリティに貢献するため、自然エネルギーを取り入れて快適な住環境を実現する「パッシブデザイン建築」を採用しています。これにより、標準的な建物と比較して50%以上のエネルギー消費量の削減を実現した建物を認証する「ZEB Ready」相当※の認証を取得しました。夏の間は自然換気で冷却し、冬の間は断熱性の高い壁で十分な暖かさを維持するなど、最小限のエネルギー消費でさまざまな天候に対応することができます。
また、2フロアにわたる一つの吹き抜け空間に設置された「フュージョンリサーチオフィス」には、計算科学、情報科学、実験科学の3分野の研究者が集まり、より密に連携出来る環境を実現しました。併設されたオープンスペースやラウンジエリアは、リラックスした環境で気軽に交流できる場としても開放されています。


拠点長の前田 理さんが開発し、ICReDDの基幹技術ともなっている人工力誘起反応(AFIR)法によって、潜在的な化学反応経路の候補を効率的に見つけることができるようになりました。新たな研究棟では、計算システムのセキュリティやネットワーク速度が向上し、AFIR法による反応経路予測も大幅に促進されることが期待されています。

世界の第一線で活躍する様々な分野の研究者が集うICReDD棟。化学反応に革新を起こす研究を進めています。
この記事の原文は英文(WPI-ICReDD's new building, towards revolutionizing research and sustainability | Hokkaido University )です
【再編:広報課 広報・渉外担当 長尾美歩】