【Academic Fantasista 2023】札幌日大高校で2名の研究者が出張講義を実施

「未来社会を考える―大学での学びと研究―」大学院教育推進機構 教授 宮本 淳

地球環境科学に加え、高等教育を専門とする宮本さん。前半は宮本さんが取り組んでいる氷床に関する研究について紹介しました。紙コップに南極の氷を入れて会場に回すと、生徒達から歓声があがりました。後半は大学での学びや研究とはどういったものなのかを紹介しました。その事例のひとつとして、環境科学院 博士後期課程1年の名畑公晴さんが社会課題の解決を目指す研究と実践の取組みについて発表しました。最後に宮本教授は、研究などを通じて自分で考え、挑戦し続ける人になって欲しいとメッセージをおくりました。講義を受けた生徒たちからは、「大学での研究への関心が高まった」、「未来について考えることの大切さを学んだ」との声が聞かれ、これからを考える良い刺激となった様子でした。

生徒たちに問いかけながら講義を進める宮本教授 生徒たちに問いかけながら講義を進める宮本教授
宮本さんと共に講義を行った、大学院生の名畑さん 宮本さんと共に講義を行った、大学院生の名畑さん

日時:2023年11月2日(木)13:45-15:15
会場:札幌日本大学高等学校
参加生徒:1年生 約110名

「性が決まる仕組みの生物学―消えゆくY染色体の運命―」理学研究院 教授 黒岩麻里

黒岩さんは、動物の性が決まる仕組みや染色体の研究をしています。現在進行形で小さくなり続けているY染色体と人の運命はどうなるかについて、黒岩さんは、実際に提唱されている3つの仮説を提示し、生徒たちはどの仮説を支持するかグループで話し合いました。このうちの1つ、「Y染色体が消えても男性が生まれるように進化する」という仮説について、黒岩さんは自身の研究としてY染色体がなくてもオスが生まれてくるトゲネズミの研究を紹介。Yの消失に伴い新しい性決定因子を進化させた事例と、別の染色体に融合させてYが巨大化することで寿命を延ばした事例を挙げ、消失と巨大化という真逆の選択肢によってオス消滅の危機を乗り越えた進化を解説しました。生徒からは「Y染色体が消えてしまうかもしれないという事がすごく衝撃的だった」「専門家でも意見が分かれ、それぞれに思わず納得してしまう根拠があり面白かった」と言った声や、「(グループワークで)周りの意見を聞きながら自分もよく考えることができた」など、グループワークを楽しんだ声も聞かれました。

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<div class=グループディスカッションで出された生徒からの質問に答える黒岩教授 グループディスカッションで出された生徒からの質問に答える黒岩教授

日時:2023年11月15日(水)13:45~15:30
会場:札幌日本大学高等学校
参加生徒:1年生 約80名

(広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門)

アカデミックファンタジスタとは?

北海道大学の研究者が知の最前線を出張講義や現場体験を通して高校生などに伝える事業、「アカデミックファンタジスタ(Academic Fantasista)」。内閣府が推進する「国民との科学・技術対話」の一環として、北海道新聞社の協力のもと2012年から継続的に実施しています。今年度は北海道の高校等を対象に31名の教員が講義を実施しています。2023年度の参加教員はこちら

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