北大の選りすぐりの研究を展示で紹介-総合博物館で「北大の探求心2024」が開催中

地球環境科学研究院 准教授 小泉逸郎

<写真>地球環境科学研究院の展示ブースを担当した小泉 逸郎 准教授(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )

北海道大学には12の学部と関連する大学院のほかにも、様々な教育研究組織があります。現在、北海道大学総合博物館では、夏季企画展「北大の探求心2024」が開催中で、選りすぐりの8組織がその研究成果を紹介しています。(第1期は8月12日(月・祝)まで、第2期は8月20日(火)~9月29日(日)まで)。

期間中、観光客や夏休みの子どもたちでにぎわう地球環境科学研究院の展示ブース(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 ) 期間中、観光客や夏休みの子どもたちでにぎわう地球環境科学研究院の展示ブース(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )

第1期の4つの展示のうちの1つ、地球環境科学研究院のテーマは「人新世」です。人新世は、人間の活動が地球環境に大きな影響を与えた時代を意味しています。企画展では、20世紀半ばに加速した人の営みを象徴する痕跡がよく保存されている地層として、大分県の別府湾から採取した地層のサンプルを展示。また、人間の活動が自然環境に与える影響などを、植物や動物の研究で明らかにした内容も紹介されています。

 

「都市化が引き起こす植物の進化」という展示について説明する小泉准教授(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )
「都市化が引き起こす植物の進化」という展示について説明する小泉准教授(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )

展示を担当した地球環境科学研究院 准教授の小泉逸郎さんは、「人間活動によって絶滅する種もありますが、それに合わせてうまく適応して進化して、柔軟に行動を変えている生き物もいるというのが、最新の研究成果からわかります」と話します。

ヒグマの背こすりなど、動物たちの自然な姿をとらえたビデオ展示(撮影:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 川本 真奈美 )
ヒグマの背こすりなど、動物たちの自然な姿をとらえたビデオ展示(撮影:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 川本 真奈美 )

 小泉さんによると、見どころはヒグマやエゾシカなど野生生物の生態を収めたビデオ展示です。調査では北海道内の様々な地域で延べ4年間、100台以上の自動撮影カメラを設置し、動物たちの自然な姿を24時間収め、その行動を解析しました。小泉さんは、「迫力あるヒグマの『背こすり』の映像は必見です。また、札幌キャンパスは自然が多く、キタキツネやオシドリもいて共生のシンボルのような場所なので、博物館の見学後はぜひ構内も散策してみてください」とアピールしました。  

北大札幌キャンパスは生物多様性の保全が図られている区域として、環境省の「自然共生サイト」に認定されている(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )

北大札幌キャンパスは生物多様性の保全が図られている区域として、環境省の「自然共生サイト」に認定されている(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )
北方生物圏フィールド科学センターのブースでは体験できる展示も(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )


北方生物圏フィールド科学センターのブースでは体験できる展示も(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )
スラブ・ユーラシア研究センターの展示ブース(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )

スラブ・ユーラシア研究センターの展示ブース(撮影:社会共創部広報課 長尾 美歩 )

第1期の企画展ではこのほか、北方生物圏フィールド科学センター、スラブ・ユーラシア研究センター、サステイナビリティ推進機構SDGs事業推進部門の展示も行われています。この夏休みに、北大の最先端の教育・研究の成果をぜひご堪能ください。

【文:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 齋藤有香】

■令和6年度夏季企画展「北大の探求心2024」

開催日時:
第1期:2024年7月5日(金)~8月12日(月・祝) /北方生物圏フィールド科学センター、スラブ・ユーラシア研究センター、地球環境科学研究院、サステイナビリティ推進機構SDGs事業推進部門
第2期:2024年8月20日(火)~9月29日(日) /アイヌ・先住民研究センター、環境健康科学研究教育センター、工学研究院、地震火山研究観測センター
会場:
北海道大学総合博物館1階 企画展示室
札幌市北区北10条西8丁目