<写真>一般開放が始まった北海道ワイン教育研究センター棟(撮影:広報課 広報渉外担当 長尾 美歩)
2024年9月6日、秋めいた青空が広がり心地よい風が吹く午後、北海道ワイン教育研究センター棟の一般開放が始まりました。札幌キャンパスのクラーク像近くにあるこの建物は、旧昆虫学及養蚕学教室として1901年に建造されたものです。リノベーションを経て、2023年9月にセンター棟として開所。それ以降、北海道産ワインの教育研究・プロモーションの拠点としてワインに関するセミナーやイベントなどで利用されてきました。そして今回、一般の方にも開放され、北海道産ワインを有料で試飲できる「北大ワインテイスティング・ラボ」がスタートしました。
建物の中に入ると、コイン式のワインサーバーが並んでいます。受付で1,500円を支払うとコイン3枚とグラスが渡されて、1枚で1種類のワインを飲むことができます。
サーバーには、常時12種類のワインが並ぶそうです。初日のサーバーでは、北大の余市果樹園で採れたブドウを使ったワインも提供されていました。また、余市果樹園のリンゴを使ったシードルもあり、こちらはスタッフが直接注いでくれました。
このワインテイスティング・ラボはNPO法人ワインクラスター北海道が運営していて、ソムリエやワインエキスパートが常駐するそうです。専門家がアドバイスしてくれるので、ワインに詳しくなくても気軽に楽しめます。観光で訪れた人や学生などさまざまな人たちがリノベーションされた建物を眺めながら、ワインを手に穏やかな時間を過ごしていました。北海道のワイン産業について卒論を書いているという北大経済学部4年の学生は「キャンパスで北海道産のワインを楽しめるなんて最高です。気軽に来れて嬉しい」と笑顔で話しました。
試飲後は、アンケートに答えるとセンター棟などが写ったオリジナルポストカードが貰えます。北海道ワイン教育研究センター長を務める農学研究教授 曾根 輝雄さんによると、アンケートの回答はワインの化学成分と嗜好性の関係の研究に役立てるそうです。センター棟の開所時から一般開放を目指していた曾根さんは、「皆さんにお越しいただける日を迎えられて本当に良かったです。これを機に、より多くの人に北海道のワインの味を知っていただきたいと思います。大学でワインのテイスティングができるのは非常に珍しいので、学問とワインの味のつながりが今後見えてくればおもしろいですね」と期待を胸に話しました。
お酒を飲まない方は、建物を見て楽しむことができます。東京から観光で訪れたという大学生は建築を勉強しているそうで、札幌市時計台を見学した際にこの建物を教えてもらい、札幌キャンパスまで足を伸ばしたそうです。「昔から残っている数少ない建物のうちの1つがワインの研究所になっていると聞いて来てみました。こうして中に入って見ることができてうれしいです。」
これから、気候のいい秋が始まります。北海道産ワインと歴史的建造物の魅力を味わいに北大札幌キャンパスへ足を運んでみませんか。
【文:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 長谷川 亜裕美】
【「北海道ワインテイスティング・ラボ」開館時間】
金曜日12:00~19:00(LO18:30)
土曜日10:30~16:30(LO16:00)
日曜日10:30~16:30(LO16:00)
月曜日10:30~15:00(LO14:30)
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
リサーチタイムズではこれまで、北海道ワイン教育研究センター棟の開所式の様子や、本学の教員たちの思いが詰まった歴史的建造物の保存改修についても紹介しています。あわせてご覧ください。